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銃乱射事件

LGBTはイスラム過激派の新たな標的か

2016年6月14日(火)17時52分
モリー・オトゥール、ダン・デ・ルーチェ

 だがマティーンの父親は、マティーンが以前マイアミ市内で男性2人がキスをしているのを見て憤っていたことはあったものの、これまでにイスラム過激派の教義や宗教に関心のあるそぶりを見せたことはないと語った。2011年に離婚した元妻は、「マティーンはよく暴力をふるい、精神的に病んでおり安定していなかった」と話した。

 米下院情報特別委員会の有力メンバーであるアダム・シフ下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)は、多数の証拠が、今回の事件がISISに触発されたテロ行為であることを示唆していると語る。ISISがラマダン(断食月)の間に攻撃を実施するよう呼び掛けていたことや、マティーンが911へ電話してISISへの忠誠を誓ったことなどだ。ただし同議員は、「この攻撃がISISの指示によるものであるかどうかは、まだ断定できない」と付け加えている。

メディアを通じて命じるバグダディ

 マティーンは連邦当局に知られる存在だった。FBIは過去、彼に対して2度の捜査を行っている。2013年には「自分はテロリストたちとつながりがある」と吹聴していたために嫌疑がかけられたが、起訴できるだけの十分な証拠を見つけられなかった。次の2014年には、シリアで自爆テロを実行した最初のアメリカ人であるモネル・モハマド・アブサルハとマティーンにつながりがあるのではないかという疑いで捜査が行われた。

 FBIタンパ支局の責任者を務める特別捜査官補佐のロナルド・ホッパーはオーランドで、2014年の捜査に関して記者たちに説明を行った。それによれば、マティーンとアブサルハは2人ともフロリダ州フォートピアース在住だったが、その接触は「最小限」で、「マティーンは実質的な脅威ではない」と当時のFBIは結論づけたという。

 ISISの支配地域がイラクとシリアで縮小を続けているにもかかわらず、西側諸国の政府は、暴力的で憎悪に満ちた過激なプロパガンダの影響を封じ込めるのに悪戦苦闘している、と専門家は言う。

 イスラム国のリーダー、アブ・バクル・アル・バグダディは、「自分が呼び掛けさえすれば、テロが実行されることを知っている」と語るのは、元CIA職員で現在はブルッキングズ研究所特別研究員を務める作家のブルース・ライデルだ。「バグダディには、直接的な人とのつながりや、ウェブ接続さえ必要ない。彼のメッセージはメディアで大きく取り上げられ、内容も非常にシンプルであるため、確実に怒りを引き起こすからだ」

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