自撮りヌードでイランを挑発するキム・カーダシアン
不屈の精神 ウェビー賞で「Break the Internet」賞を受賞し、「死ぬまで裸のセルフィー(Naked selfies til I die)」とスピーチしたキム・カーダシアン・ウェスト Mike Segar-REUTERS
大胆なヌード写真で知られる「インスタグラムの女王」キム・カーダシアン・ウェストを、イランの革命防衛隊がイラン女性を堕落させるスパイだと非難している。頭髪が見える写真を投稿しただけで逮捕するお国柄。国境を超えるインスタグラムで「ヌード・金満」攻勢をかけてくるカーダシアンを本気で嫌っているようだ。
アメリカのモデルで女優、リアリティー番組のスターとして有名なキム・カーダシアン・ウェスト(35)は、イランの革命防衛隊から敵視されている。インスタグラムに挑発的な――ときに素っ裸の――セルフィー(自撮り写真)を投稿してイランの若者や女性たちを堕落させている、というのだ。
そんなカーダシアンは5月16日、優れたウェブサイトやオンライン映画、ウェブキャンペーンなどに贈られる権威あるウェビー賞の授賞式で、こう宣言した。「死ぬまで裸のセルフィー(Naked selfies til I die)」
ニューヨークで開かれた2016年ウェビー賞の授賞式で、カーダシアンは「オンラインでの類い稀な成功や、インターネット、ソーシャルメディア、アプリ、ビデオ等を駆使してグローバルなファンたちとつながった大胆でクリエイティブな手法」を認められ、Break the Internet(ネットで人気急上昇)賞を受賞した。
カーダシアンは写真共有SNSの「インスタグラム」で約7000万人のフォロワーがおり、彼女がウェディングドレス姿で夫の歌手カニエ・ウェストとキスをしている写真(下)は一時期、インスタグラム史上、最多「いいね!」数の写真となった(記事執筆時点で約250万のいいね!)。
今年で20回目となるウェビー賞では、各賞の受賞者のスピーチに5文字しか認めない。カーダシアンの「Naked selfies til I die」はその制限を最大限に活用したと言えるだろう。
イラン革命防衛隊が「堕落させるスパイ」と非難
カーダシアンは3月にもネットを騒がせたが、原因はインスタグラムに投稿したフルヌードのセルフィーだった(画像を加工し、大事なところだけは黒い線で隠しているが)。約170万の「いいね!」を獲得し、刺激を受けた何人もの女性セレブが、次々と同じようなヌード・セルフィーを投稿した。
押し寄せた批判に対し、カーダシアンは国際女性デーである3月8日に自らのウェブサイトで声明を発表。「私は欠点も含めた自分自身を世界中に見せることで力を得ているし、他人に何を言われようと恐れたりはしない。このプラットフォームを使えば、世界中の女の子や女性たちも同じように力を得られるんだと知らせたい」と、力強く反論した。
これからもヌードのセルフィーを投稿していくという授賞式での宣言は、カーダシアンがインスタグラムの「秘密諜報員」だというイラン保守派による非難の最中に飛び出したもの。プライベートヘリ、大量の化粧道具、そして自分の体――イスラム国家の保守的な価値観と相容れない欧米の金満ライフスタイルを見せつけることで、イランの若者や女性を堕落させる使命を遂行しているというのである。
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