最新記事

欧州

【写真特集】緩やかにつながる欧州の極右

イタリア極右勢力の持つ多様な顔と国境を超えたネットワーク

2016年5月6日(金)10時00分
Photographs by Karl Mancini

地下世界 極右組織ゼニトの結成10周年を祝う集会。彼らのお気に入りのスローガンの1つは「VITA EST MILITIA(人生は闘いだ)」

 欧州では最近、極右勢力の台頭が目立つ。昨年10月にはポーランドで保守強硬派の新政権が誕生。12月に行われたフランスの地方議会選挙の第1回投票では、移民排斥を掲げる極右政党の国民戦線が大躍進した(決選投票では全敗)。難民受け入れに寛容だったドイツでも、近頃は国民の反難民感情をあおる右派政党が支持率を伸ばしている。

 一方、イタリアの極右勢力は特定の政党に集結するものではないと、フォトジャーナリストのカール・マンチーニは指摘する。政治思想や歴史観、宗教によってさまざまな組織に分かれ、彼らが集う「地下世界」も、ナイトクラブに図書館、サッカースタジアムなど多岐にわたる。

【参考記事】ドイツを分断する難民の大波

 マンチーニはそうした複雑で多様な顔を持つ、イタリアの極右勢力に迫った。そこから国境を超えてネットワークを広げる欧州の極右の姿も見えてきた。

 彼らにとっての聖なる言葉は、「仲間意識」と「所有権」だ。極右組織ゼニトがローマで開いた結成10周年集会では、こんな演説が聞かれた。「私たちは降伏のにおいがする過去と決別し、未来を奪うために闘う。共闘を望まない者とは戦場で会うことになるだろう」


ppright02.jpg

セルビアの極右民族主義政党「セルビア急進党」の本部に集まったフィンランドやイタリア、スペインなどの極右メンバーたち


ppright03.jpg

14年2月にシリア和平会議が開かれたスイスのジュネーブでアサド支持派のデモに参加する欧州の極右勢力

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米運輸長官、連邦航空局の改革表明 旅客機・ヘリ衝突

ビジネス

基調物価が2%へ上昇するよう、緩和的な金融環境維持

ビジネス

コマツの4ー12月期、営業益2.8%増 建機販売減

ビジネス

安定した物価上昇が必要、それを上回る賃金上昇も必要
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 9
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 10
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 5
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中