最新記事

ニュープロダクト

ポラロイド式カメラ、デジタル機能も搭載して生まれ変わる

2016年5月28日(土)11時50分
geared (ギアード)

<ポラロイド式カメラがデジタル機能も搭載してよみがえった。カメラにもアナログブーム到来か?>

「スマホで撮影」時代の反動か、チェキや写ルンですといったアナログな撮影ガジェットが再ブームの兆しを見せていますが、このプロダクトもその盛り上がりを後押しするかもしれません。

 IMPOSSIBLE は、2008年に閉鎖したポラロイド社最後のフィルム工場を復活させ、インスタントフィルムの再生産を実現したメーカー。そうしてポラロイドカメラ終焉の危機を回避した彼らがついに送りだす初のカメラがこの「The I-1」です。

 もちろんインスタントカメラであり、ルックスからしてポラロイドを継承しようとするメーカーの姿勢が見て取れます。オートフォーカス機能を備え、12個のLEDを配した特徴的なリング状のフラッシュが、広範囲/近距離どちらの撮影にもスムーズに対応。アナログカメラに不慣れな向きでも簡単に扱うことができるようです。

 また、このリング状のフラッシュは、フィルムの枚数やバッテリーの使用状況を示すインジケーターとしても機能します。

 こうして簡単に撮影できるアナログカメラに仕上げられながら、デジタルな機能性も搭載しているところに The I-1 のおもしろさがあります。

 iOSやWatchOSの専用アプリが用意されており、シャッタースピードや口径などのマニュアル設定、カメラの遠隔操作、タイマーセット、ノイズの除去、多重露光やライトペインティングといった特殊な撮影......などなどをBluetooth接続によってデバイス側で行うことができるのです。

 シャッタースピードとF値をフルマニュアルで設定可能なインスタントカメラは世界初とのこと。これまでにない写真撮影ができるかもしれません。また、撮影した写真のSNSへのアップもアプリ経由で可能。

JessicaPolar1.jpg

 重量は440g。内臓バッテリーはUSBで充電する仕様です。専用のフィルムだけでなく、Poraloid 600タイプのフィルムがすべて使用できます。

 ベースとなる撮影機能はシンプルなアナログ仕様にしつつ、デジタルな操作はデバイス側に集約させているのが良いですよね。この棲み分けによってデジ/アナのいいとこ取りを成功させているように思えます。

 オーディオの分野では、ソニーやパナソニックが新型プレーヤーを発表するほどのアナログレコードブームが起きていますが、カメラの分野でのアナログなポラ復活が、この The I-1 をきっかけに巻き起こる......なんてこともあり得るかもしれません。

○製品名The I-1、メーカーIMPOSSIBLE、価格¥38,000(税込)

執筆:Geared(Facebookページ)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、利下げごとにデータ蓄積必要 不確実性踏まえ

ビジネス

ソニー、米パラマウントに260億ドルで買収提案 ア

ビジネス

ドル/円、152円台に下落 週初から3%超の円高

ワールド

イスラエルとの貿易全面停止、トルコ ガザの人道状況
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中