ルセフ弾劾はブラジルにとって正しい道か
まさに混乱の極みだが、ひとたびルセフが退陣すれば、ブラジルの事情が一気に好転することもあるかもしれない、とマルサックは言う。ルセフに気を取られてブラジル政界が忘れてきた経済政策もようやく動き出すかもしれない。「普通はありえないことが、ブラジルでは起こることもある」
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今後の行方は?
この後審議は上院に移り、ルセフの弾劾請求を可決するか採決する。可決には全議員81人の過半数の賛成が必要だが、可決は確実な情勢だ。ルセフは180日間の職務停止処分となり汚職捜査を免れず、その間テメル副大統領が大統領代行を務める。
弾劾法廷で3分の2以上が有罪と判断すればルセフは罷免され、次回選挙が予定されている2018年までの残りの任期はテメルが引き継ぐ見通しだ。
マルクサックは言う。「ルセフがひとたび大統領の地位から退けば、政権復帰への道は完全に閉ざされる。その時こそ政治勢力を結集してブラジルの政治に安定をもたらす絶好のチャンスだ。政治家も国民も、これ以上政治の混乱を長引かせたくないはずだ」
This article first appeared on the Atlantic Council site.
Ashish Kumar Sen
Staff Writer, Atlatic Council
Peter Schechter
Director, Adrienne Arsht Latin America Center
Jason Marczak
Director, Latin America Economic Growth Initiative
Ricardo Sennes
Nonresident Senior Brazil Fellow,
Adrienne Arsht Latin America Center