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タックスヘイブンキャメロン英首相、海外領土による情報開示など税法強化を発表
首相個人の資産に対する疑惑が浮上する中での税制改革発表は批判逃れとの声も
4月11日、キャメロン英首相は、議会で演説し、課税逃れを取り締まるため税法を強化する方針を示した。ロンドンの官邸で撮影(2016年 ロイター/Stefan Wermuth)
キャメロン英首相は11日、議会で演説し、課税逃れを取り締まるため税法を強化する方針を示した。首相は、バージン諸島やケイマン諸島を含む英国の海外領土や王室属領の大半が、透明性拡大のため、今後は英法執行機関と税務当局に対し、企業の所有に関する情報をすべて開示することになると述べた。
また、従業員が課税逃れ方法を顧客に指示することを企業が防止できない場合、犯罪行為とする法案を年内に提出すると表明。英政府の対策としては税金の抜け穴をふさぐ最も強力な措置の一つになると述べた。
パナマの法律事務所から流出した「パナマ文書」で明らかにされた亡父のオフショア信託をめぐってキャメロン首相個人の資産に対する疑惑が浮上する中、首相はこの日も議会で自身の財務状況について釈明した。
一方、労働党のコービン党首は、「注意をそらしている」として首相を批判した。
金融関係者は、税金の抜け穴をふさぐとする政府の対策に疑問を示している。一部の会計担当者らは、「ならず者」の従業員の責任を企業が取ることになる可能性があり、英国での事業展開のリスク負担を高めるかもしれない、と指摘した。