中国人の爆買い支える「代購」、政府が検査強化と増税で取り締まり
税金逃れの摘発に加え国内消費の促進も図る
4月1日、中国は、海外から発注された商品に対する税金を引き上げたり、高級品をスーツケースに詰め込んでこっそり運び込む密輸業者への取り締まりを強化している。仏パリの百貨店ギャラリー・ラファイエットで昨年9月撮影(2016年 ロイター/Charles Platiau)
中国は、海外から発注された商品に対する税金を引き上げたり、高級品をスーツケースに詰め込んでこっそり運び込む密輸業者への取り締まりを強化している。
こうした取り組みは、中国国内の消費を促し、税金逃れのために使われるグレーマーケットに圧力をかける動きと一貫する。
世界の高級品市場で中国人が購入者の3分の1を占める一方、中国本土での高級品売上高は全体のわずか5分の1にすぎない。
大半は、海外のウェブサイト経由で注文するか、中国人観光客が海外で購入、もしくは「代購」として知られる個人が高級品をスーツケースに詰め込んで中国にひそかに運び入れ、直接またはインターネットで販売している。
こうした状況は中国政府の税収入を直撃するだけでなく、輸出から消費主導型経済への転換を図るべく当局が押し上げようとしている国内消費セクター、特に高級品市場を抑制している。
「中国は海外での購買分を取り戻し、消費主導型経済への移行という目標とも一致する国内高級消費市場を発展させたいと考えている」と、HISグローバル・インサイトのエコノミスト、Yating Xu氏は指摘する。
シャネルなど一部のブランドは昨年、内外価格差を埋めるべく中国での販売価格を下げたが、ドルチェ&ガッバーナの最新バッグといったアイテムは、ミラノやパリで購入する方が、中国国内よりも5割ほど安く購入できる。
一部の中国人が海外での高級品購入を好む理由として、自国で買うよりも本物だと確信でき、種類も豊富で、より良いサービスが受けられるということが挙げられる。
高級品メーカーは中国でのショップ開店に投資しているが、対策が取られないこともあり、自社ブランドを傷つける恐れもある。