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英国IMF「英国のEU離脱、世界経済に大きな打撃」と警鐘
EU離脱に絡むリスクに対し、国際機関による警告として最も厳しい判断
4月12日、IMFは英国がEUから離脱すれば、ぜい弱な世界経済への大きな打撃となる恐れがあると指摘した。写真はEU首脳会議に出席するキャメロン英首相。2月19日撮影。(2016年 ロイター/Yves Herman)
国際通貨基金(IMF)は12日、英国が欧州連合(EU)から離脱すれば、ぜい弱な世界経済に対する大きな打撃となる恐れがあるとの見解を示した。
英国は6月23日にEUからの離脱の是非を問う国民投票を実施。IMFはこの日に公表した世界経済見通しのなかで、同国民投票について、中国を初めとする新興国の不安定性、先進国経済の潜在的な長期成長率の低迷、株式市場の乱高下と並ぶ主要なリスク要因と指摘した。
IMFの見解は英国のEU離脱「ブレグジット(BREXIT)」に絡むリスクに対する国際機関による警告として最も厳しいものとなる。
IMFは2016年の英国の成長率予想を1.9%とし、従来の2.2%から下方修正。先進国では日本に次ぐ大きな下方修正となった。英国の2015年の成長率は2.3%だった。
IMFの首席エコミスト、モーリス・オブストフェルド氏は「6月に国民投票が予定されていることで市場ですでに先行き不透明感が出ている」とし、「英国がEUを離脱すれば、これまでに確立された貿易関係が阻害され、地域的、世界的に大きな打撃が広がる」と警告した。
ただ同氏は欧州に流入している移民・難民をめぐる問題や、過激派組織「イスラム国」による攻撃などを受け、英国では「内向きのナショナリズムが台頭している」と指摘。ナショナリズムが高まるなか、6月の国民投票でEU離脱支持派が多数となる事態は「非常に現実的」となっているとの見解を示した。