中国、ジブチに海外初の海軍基地建設で異例の「友好アピール」
「強調されるべきは、中国が平和的発展の道を支持しており、軍拡競争に参画したことはないということだ。これは決して変わらないだろう」としている。
すでに米国やフランスの軍事施設を有するジブチも、中国の施設が海賊対策や通商ルート保護のための補給と他の後方支援に使われるという中国の主張に同調する。
だが、その一方で、たとえ中国が「前哨基地」としての利用を模索し始めても、西側が長年にわたり世界中で同じことをしてきたことを考えれば、心配には及ばないとも指摘する。
人口100万人にも満たないジブチで2月、国際的な海運拠点となるべく同施設の建設が始まった。
しかし、インド洋北西というジブチの位置が、インド国内で懸念を高めている。ジブチが、バングラデシュやミャンマー、スリランカなどに続き、中国と軍事同盟を結び、インドを包囲する「真珠の首飾り」に加わることを危惧しているのだ。
複数のインド軍当局者はロイターに対し、ジブチにおける中国海軍のプレゼンスは、長年続くヒマラヤ国境紛争により、現在陸と空に限定されているインドの有事対策に、新たな側面を加えることになると話した。
ジブチ同様、軍事基地となり得るパキスタンのグワダール港にも中国が関与していることを考えれば、中国海軍の役割は大いに高まり、インド海軍の脅威となると、インド軍のマンディプ・シン准将は、政府系シンクタンク、防衛問題研究所(IDSA)への論文で指摘している。
「中国海軍はジブチに長距離対応の軍備を整えることが可能であり、インド西岸沖に浮かぶインドの島々だけでなくアラビア海の監視も継続的に行うことができる」と、シン准将は述べている。
アフリカの首飾り
中国の王毅外相は、今月開催された全国人民代表大会(全人代)で、海外の拠点がさらに増える可能性に含みをもたせた。
アフリカ大陸では、中国と同国企業の関わる港湾建設がいくつか進んでいる。本来は商港だが、今後これらすべてに中国海軍の艦船が停泊する可能性はある。