フロリダ原発の周辺住民が怯える「フクシマ」の悪夢
温水と一緒にその他の汚染物質も地下水に漏出して、住民の健康や安全を脅かしている、とストッダードは指摘する。これには数年前にオハイオ州トレドで水道水に混入して給水をストップさせた危険なシアノバクテリア(細菌の一種)も含まれている。原発によってビスケーン湾内のアンモニアとリン酸肥料のレベルも増加しているという。総合的に見れば、原発から発生する様々な問題は「水質浄化法」に違反している、とストッダードは言う。
ラーナーは環境保護庁(EPA)の役人に会い、問題を説明した。「地下水が汚染されたら他に水源はない」と、彼女は訴えた。「誰も第二のフリント(水道水の汚染で健康被害も出た町)は望まない」
【参考記事】非常事態宣言まで出たフリント市の水道汚染は「構造的人災」
ターキーポイントの原発を運転し、さらに2基を増設する計画のフロリダ電力はどう考えているのか。広報担当者はこう言う。「飲料水にも公衆衛生にも何の影響もない」
福島第一原発事故のようなこともあり得るのではないか、という質問については、ターキーポイント原発は92年にカテゴリー5という最強のハリケーン・アンドリューの直撃を受けたが、びくともしなかった、と説明。「だから市民には安心してもらいたい」