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自動運転自動運転車が移動シアターに変身――フォードが特許取得
車内の天吊スクリーンに投射。危険察知して中断する機能も
自律走行車の娯楽システム 自動運転時に映像を楽しむ。 写真はボルボ・カーズが研究中のもの。
自動運転車の実用化に向けて、自動車メーカーや大手IT企業による開発が加速している。では、運転から解放された人は、移動中に何をしたらいい? 米フォード・モーターが提案するのは、「映画鑑賞」だ。
フォード傘下のフォード・グローバル・テクノロジーズは3月1日、「Autonomous Vehicle Entertainment System」(自律走行車の娯楽システム)と題した特許を取得した。このほど米国特許商標庁のサイトに掲載され、Automotive Business Reviewなどが報じている。
特許文書内のイラストで示されているように、基本的な仕組みは、車内前方の天井からロールダウンしたスクリーンに、座席側からプロジェクターで映像を投射するというシンプルなもの。スクリーンでフロントガラスが完全に遮られるので、これは自動運転モード時の使用スタイルだ。
同特許には「非自動運転モード」(つまり、人が運転するマニュアルモード)についても説明がある。その際はスクリーンとプロジェクターが天井部分に格納され、ダッシュボード、計器パネル、バックミラーに内蔵されたサブディスプレイで引き続き映像を観賞できる。
自動運転モードで映画を観ている間も、車載コンピュータが自動運転用センサーを常時モニターしていて、衝突の危険などマニュアルモードに切り替える必要がある場合は、自動でスクリーンを引き上げるという。
自動運転時に映像を楽しむというアイデアは、もちろんフォードだけのものではない。たとえば、ボルボ・カーズとエリクソンは今年1月、自動運転車向けの「インテリジェント・メディア・ストリーミング」を共同開発中だと発表した。助手席前部に大型ディスプレイを搭載し、高速インターネット接続でストリーミング動画を表示する仕組みで、移動ルートとネットワーク状況を予測し、移動時間に合わせたコンテンツを選んだり、データをバッファ(先読み)して高画質動画が途切れないようにするという。
「自動運転車の中で映画鑑賞」が実現したとしても、激しいカークラッシュを売りにしたアクション映画(『ワイルド・スピード』シリーズや『ファイナル・デスティネーション2』)、AIやロボットが暴走する映画(『トランスフォーマー』シリーズや『アイ,ロボット』)などはできれば避けたいところだ。逆に、スリル倍増で興奮する、という強者もいるかもしれないが。