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金融不安業績悪化のドイツ銀行CDSが急上昇、他の欧州銀も追随
世界経済の成長減速や低金利の長期化で欧州の主要銀行の対応能力に懸念
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2月11日、CDS市場で、独銀行最大手ドイツ銀行の債務保証コストが急上昇した。欧州の銀行株が数年ぶり安値を付ける中で、ドイツ銀以外の欧州銀の債務保証コストも上昇している。写真はドイツ銀行のロゴ、フランクフルトで1月撮影(2016年 ロイター/Kai Pfaffenbach)
11日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、独銀行最大手ドイツ銀行の債務保証コストが急上昇した。欧州の銀行株が数年ぶり安値を付ける中で、ドイツ銀以外の欧州銀の債務保証コストも上昇している。
マークイットによると、CDS市場が織り込むドイツ銀の劣後債のデフォルト(債務不履行)確率は24.5%、シニア債のデフォルト確率は17%に上昇。
株価急落の背景には、世界経済の成長減速や低金利の長期化への各行の対応能力をめぐり懸念が生じていることがある。
マークイットによると、ドイツ銀の5年物劣後CDSスプレッドは前日比85ベーシスポイント(bp)上昇し、過去最高となる540bpとなり、1年物劣後CDSスプレッドは114bp上昇し552bpをつけた。
5年物劣後CDSスプレッドは年初には180bp付近だった。
5年物シニアCDSスプレッドは前日比43bp上昇し275bpと、2011年以来の高水準をつけた。年初には95bpを下回る水準だった。
クレディ・スイスやUBSなど他の欧州銀の5年物劣後CDSスプレッドも11日、25─34bp上昇した。
ラッセル・インベストメンツのシニア投資ストラテジスト、Wouter Sturkenboom氏は、この決算発表期でドイツ銀やクレディ・スイスなど大手数行の業績悪化が示され、銀行の収益性への懸念が強まったと指摘。欧州中央銀行(ECB)の金融緩和策、不良債権の増加、新興国市場へのエクスポージャーも銀行セクターの重しとなっている、とした。
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