台湾地震、倒壊マンションに隠されていた「手抜き工事」
「市の記録では、(マンションに)何も問題ない」と、台南市公共事業部門の当局者は語った。
マンション倒壊の調査を台南市から依頼された建築家、Hsu Yin-hsuanさんは、同市が99年の地震の後に、今後の地震対策として市庁舎を強化するために費用を投じたが、「民間所有の建物には同じことは起こらなかった」と指摘する。
市の記録によると、同マンションは92年に建築許可を得て、2年後に完成した。
建設に携わった主な2つの建設業者は倒産している。
ロイターは倒壊現場で、壁のなかに大きな長方形の食用油の缶が詰め込まれているのを目にした。建築材料として使われていたものとみられる。
99年の地震でも、台湾各地の一部の建物で、食用油の缶が壁内の詰め物として使われていたことが明らかとなっていた。
台南市の頼清徳市長は、検察当局に調査するよう求めたほか、マンション構造を調べるため土木技師を3チーム雇ったとし、「完了したら、責任のあるべき人を処罰する」と語った。
同マンションを建設中から知っているという隣に住む70歳の女性は、近所の人たちといつもその出来栄えに疑念を抱いていたと話す。
「出来上がったとき、外部から来る人しか買わないだろうと見て思った。地元の人は絶対に買わないとね」
(Yimou Lee記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)