最新記事

民主化

ミャンマー大統領選挙、現職任期終了目前の3月17日に実施へ

焦点は選挙前にスー・チー氏の大統領就任を可能にする憲法改正を行うかどうかに

2016年2月9日(火)10時58分

2月8日、ミャンマー上院のマン・ウィン・カイン・タン議長は、次期大統領選挙を3月17日に実施すると発表した。写真はアウン・サン・スー・チー氏。ミャンマーの首都ネピドーで1月撮影(2016年 ロイター/Soe Zeya Tun)

 ミャンマー上院のマン・ウィン・カイン・タン議長は8日、次期大統領選挙を3月17日に実施すると発表した。テインセイン大統領の任期が切れる4月1日を目前に控え、昨年11月の総選挙で圧勝したアウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)と国軍の間の協議が予想以上に長引く可能性がある。

 NLDの上級幹部らはメディアに対し、2月に大統領選を行う意向を示していた。

 一方で国軍のTin San Naing准将は8日、スー・チー氏の大統領就任を可能にする憲法改正についてNLDと協議はしていないと言明した。

 民政移管前の2008年に当時の軍事政権が定めた憲法59条(f)は、配偶者や子供が外国籍の人物が大統領になるのを禁じており、英国籍の子どもがいるスー・チー氏を標的にしたとみられている。

 准将は、憲法改正には軍の承認が必要だと説明。59条(f)は「外国人による侵害を防ぐために意図的に加えられたもの」だとし、その効力の一時停止は「憲法違反であり不可能だ。すでに議会では協議されており、提案や再協議はできない」と述べた。

 

[ネピドー/ヤンゴン 8日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中