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移民急増のフィンランド、黒服自警団の台頭を懸念

2016年1月18日(月)08時07分

 だが政府は、亡命希望者への対応を厳格化するよう求めるプレッシャーに直面している。5月に連立政権に参加した「真のフィンランド人」党に対する支持が急落した一因は、政府の移民対応に有権者が苛立っているためである。

 政府は移民政策を厳格化し、労働年齢の亡命希望者に若干の無給労働を義務付け、フィンランドの文化・社会を学ぶ「国民化カリキュラム」を承認した。

「オーディンの戦士たち」によるパトロールに対する反動もみられる。街頭での対立回避を願う、フェイスブック上の複数のコミュニティーによるものだ。その1つが「キュリッキの姉妹たち」で、こちらは国民的叙事詩「カレワラ」の登場人物にちなんだ名称である。

「われわれの狙いは、人々を助け、すべてのフィンランド人、及び移民のあいだの対話を構築することだ」と、フェイスブックで約1500人のメンバーを集める同グループの設立者ニーナ・ルースカさんは語る。

(Jussi Rosendahl記者、Tuomas Forsell記者)

(翻訳:エァクレーレン)

 

[ヘルシンキ 13日 ロイター]


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