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中東イラン、サウジ軍が在イエメン大使館攻撃と非難 輸入を全面禁止
周辺各国を巻き込んだサウジ=イランの対立は、さらに悪化の一途
1月7日、イランは、サウジ軍の戦闘機が、イエメンのイラン大使館を攻撃したと非難した。写真はイラン国旗、国連で2015年3月撮影(2016年 ロイター/Heinz-Peter Bader)
イランは7日、サウジアラビア軍の戦闘機がイエメンの首都サヌアのイラン大使館を攻撃したと発表した。また、サウジからの輸入を禁止すると宣言し、両国間の緊張が一段と高まっている。
国営イラン通信(IRNA)によると、イラン外務省報道官は「サウジアラビアは、(イエメンのイラン大使館の)建物を損壊させ、大使館員を負傷させた」と述べた。
イラン学生通信(ISNA)は、大使館への攻撃についてイランが正式な報告書を7日に国連に提出するというアブドラヒアン外務次官の発言を伝えた。
ただ、サヌアの住民らは、ハッダ地区の大使館の建物に損傷はなく、空爆されたのは大使館から約700メートル離れた場所で、破片などが大使館の敷地内に落ちたと述べた。
サウジ主導の連合軍は、イランが支援しているとされるイスラム教シーア派武装組織「フーシ」と2015年3月から戦闘を続けている。
連合軍の報道官は、サヌアで6日にフーシのミサイル発射装置を空爆したと発表。報道官はイランの発表内容を調査すると述べ、また現在は使われていない大使館の建物を含む施設をフーシが使用していると述べた。
イランは7日の閣議で、サウジからの輸入の全面禁止を決定した。サウジは4日にイランとの通商関係断絶と航空便の運航停止を発表した。
スンニ派のサウジ王室と国民の大半をシーア派が占めるイランの関係は、サウジが王室に批判的だったシーア派指導者ニムル師を処刑して以来、急速に悪化。イランでサウジ大使館が襲撃されたことを受け、サウジ、バーレーン、スーダン、ジブチ、ソマリアがイランとの外交関係を断絶、アラブ首長国連邦(UAE)は外交関係を格下げした。クウェートやカタールなどは駐イラン大使を召還した。