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南米左派政権

南米の石油大国ベネズエラから国民が大脱走

2015年12月22日(火)15時30分
ブリアナ・リー

 しかし、それがチャベス主義からの完全な脱却につながるのか、さらなる混乱を招くだけなのかは不明だ。シンクタンク「ラテンアメリカに関するワシントン・オフィス」のデービッド・スミルド上級研究員によれば、野党が首尾よく議会を制しても、マドゥロ政権は大統領令の連発などで議会無視の政治を続ける可能性がある。

 ビザなしでエクアドルに入ったばかりという33歳の男性は、今後のさらなる混乱に対する恐れが国を捨てたそもそもの理由だと語り、「事態が良くなるとは思えない」と吐き捨てた。

 彼の友人や家族も、ベネズエラから逃げ出す方法を探しているらしい。彼の姉は公務員で給与もよかったが、職場では定期的に、マドゥロ政権支持のデモ行進への参加を求められたという。今は彼女も国を離れることを考えている。

「みんな、なんとかしてベネズエラを出たいんだ」と、この男性は言う。「そのためなら犠牲をいとわない覚悟だ」

[2015年12月15日号掲載]

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