【統計】銃犯罪の多さは銃規制の緩さと比例するか
カリフォルニアでまたも乱射事件が起きたが、州別のデータを取ると同州は全米で最も銃規制が厳しく、人口あたりの死亡者数も少ない
繰り返される悲劇 カリフォルニア州サンバーナディーノの福祉施設で2日、銃乱射事件が発生し、14人が死亡、車で逃走した容疑者3人のうち2人は射殺され、1人が拘束された(事件直後に警戒にあたる警察官) Mario Anzuoni- REUTERS
今年10月、オレゴン州ローズバーグのアムクワ・コミュニティ・カレッジで発生した銃乱射事件を受けて発表した声明の中で、バラク・オバマ米大統領は、同様の銃犯罪が起きた地名を列挙した。
コロンバイン高校(コロラド州)、バージニア工科大学、フォートフッド陸軍基地(テキサス州)、トゥーソン(アリゾナ州)、オーロラ市(コロラド州)、サンディフック小学校(コネチカット州)、ネイビー・ヤード(ワシントン海軍工廠)、イスラビスタ(カリフォルニア州)、チャールストン(サウスカロライナ州)、そして今回のローズバーグ――。
これらはみな、アメリカにおける「銃犯罪、暴力、銃規制」という、複雑に絡まり合った問題を象徴する場所だ。
オバマはこれまでと同様の主張を繰り返し、ローズバーグで銃乱射事件が起きたのは、米連邦議会と各州政府が、銃を販売する際の安全確認と身元照会を定める法律の見直しを迫られている証拠だと述べた。
InsideGov(編集部注:当記事の提供元Graphiqの姉妹サイト)は、「銃による暴力防止法律センター」と「銃による暴力を防ぐブレイディ運動」のデータをもとに、銃規制法が州によってどう異なっているかを調査した。両団体はいずれも、より効果的な銃規制の導入を目指しており、銃規制の厳しさに応じて各州を0点から100点のスコアで評価している。スコアが上がるほど規制が厳しいという意味だ。
上の地図を見るとわかるように、東海岸の州は、銃規制に関してスコアが高い傾向がある。規制の厳しさで最上位の6州のうち5つは東海岸北部の州で、具体的にはコネチカット州(84点)、ニュージャージー州(82.5点)、メリーランド州(80.5点)、ニューヨーク州(79.5点)、マサチューセッツ州(74.5点)だ。
しかし、銃規制で89点を獲得し、総合1位となったのは西海岸のカリフォルニア州だった。銃による暴力防止法律センターによれば、カリフォルニア州では、銃を販売できるのは認可を受けた販売業者のみと定められている。また、購入者に関しては身元照会が必要なほか、筆記試験に合格して銃を安全に取り扱えることを証明するHSC(Handgun Safety Certificate)を取得しなければならない。同州ではさらに、1カ月に購入できるハンドガンは1丁と決められていて、銃の売買は記録に残されている。
一方、スコアが最も低かったのは、アリゾナ州(6点)、アラスカ州(7点)、ワイオミング州(7点)、サウスダコタ州(9点)だ。カンザス、ミシシッピ、バーモントの3州は、10点で5位タイとなった。
銃による暴力防止法律センターのウェブサイトでは、各州の銃規制法を紹介しており、アリゾナ州の場合は、州の認可がなくても銃を販売できることや、1度に購入できる銃の数に制限がないことが説明されている。さらに、ライセンスを所持していなくても公共の場で銃を隠し持ったり、攻撃用ライフルや50口径ライフル、大型弾倉を購入・譲渡したりできるという。