ヒラリーと民主党を救った社会主義者サンダース
2015年10月27日(火)16時00分
サンダースが最も注目されたのは、クリントンへの攻撃をそそのかすクーパーの挑発に乗らなかったことだ。国務長官時代に公務に私用メールを使用した問題で質問を浴びるクリントンに、サンダースは助け舟を出した。「政治的な発言ではないかもしれないが、私は(前)国務長官は正しいと思う。くだらない電子メール騒動に、アメリカ人はうんざりしている」
これはまさに政治的な発言だった。サンダースが原則を重んじる高潔な人物であると印象付けることになり、討論会は共和党のときのような個人攻撃に陥ることなく、驚くほど実質的な議論が続いたのだ。
サンダースは最有力候補を引きずり降ろすことよりも、自身の考えを突き詰めることに関心があるようだ。政治家として、実に稀有な心構えだ。より進歩主義的なアメリカを求めるクリントンの支持者は、彼女の挑戦者に感謝するべきかもしれない。
© 2015, Slate
[2015年10月27日号掲載]
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