サンゴが地球温暖化に順応し始めた
2015年7月22日(水)18時30分
ただ、それだけでは問題は解決しない。サンゴは長寿で、数十年から数百年生きる。一方で、気候変動によってこの先数十年にわたり海水の温度上昇と酸性化は進み、酸素も欠乏して場所によっては「酸欠海域」も生じると予測される。
長寿の生物では「気候変動に対する遺伝的な適応より、一世代の間の順応のほうが重要だと言える」と論文は書いている。絶滅を防ぐには、いま生きているサンゴのために手を打つ必要があるということだ。
サンゴの遺伝的な進化は、あらゆる問題の解決にはつながらなくても、時間稼ぎの役割は果たしてくれるかもしれない。しかし温暖化のペースに拍車が掛かれば時間稼ぎもできなくなると、マッツは言う。
サンゴの自助努力に頼るのではなく、やはり温暖化を抑えなくてはならないということだ。
[2015年7月21日号掲載]
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