ネムツォフ暗殺?でロシア野党は壊滅状態
ロシア政治は暴力的、敵対的な悪循環に陥っている。有権者がより過激になって相手を中傷するので、それがまた暴力を呼んでいる。政府は国営メディアを統合して、政権寄りのメッセージをさかんに視聴者に送り、野党勢力のことをロシアの統治にとって危険だと決めつけている。
プーチン時代のこの15年の間に、ロシアの多くの野党勢力や反政府活動家が裁判にかけられ、場合によってはシベリアの刑務所に送られている。もっと残酷なケースもある。ジャーナリストのアンナ・ポリトコフスカヤは、チェチェンでの人権侵害をリポートし、06年に殺害された。当局の捜査はほとんどが未解決で終了している。
元チェス世界チャンピオンのカスパロフや大物政商のボリス・ベレゾフスキーなど、反体制派の多くが国外に亡命している。しかしそれでも彼らが安全になったとは言えない。ベレゾフスキーは13年にロンドンの自宅アパートで不審死を遂げた。ロシア情報機関の元幹部で反体制派に転じたアレクサンドル・リトビネンコは、06年にロンドンで放射性物質を飲まされて毒殺されている。
<訂正>「ピアニストのボリス・ベレゾフスキー」は誤りで、「大物政商のボリス・ベレゾフスキー」に訂正しました。