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感染症聖地巡礼を揺るがすエボラ熱の暴走
世界中から数百万人が集まるメッカ巡礼の時期が迫り、エボラ熱感染対策に追われるサウジアラビア
大群衆 イスラム暦12月のハッジは信者の一大行事 Ibraheem Abu Mustafa-Reuters
エボラ出血熱が西アフリカで猛威を振るうなか、イスラム教のハッジ(大巡礼)が感染拡大を招くかもしれないと懸念されている。イスラム暦12月に世界中から数百万人の信者がサウジアラビアにある聖地メッカを目指す巡礼で、今年は10月2〜7日前後になる。
これに対してサウジアラビア政府は、エボラ熱の感染を防ぐべく厳しい措置を取ると明言。感染者が多数発生しているシエラレオネ、リベリア、ギニアの国民については、巡礼のための「ハッジ・ビザ」の発給を打ち切った。カシーム副保健相は、空路、陸路、海路の入国地点15カ所で人員や医療機器を備え、入国する巡礼者を選別する用意を整えたと語った。
特に多くの入国者があるキング・アブドルアジズ国際空港(ジッダ)では、医師が24時間対応に当たる。WHO(世界保健機関)の駐サウジ代表ハッサン・アル・バシリによれば、「ケニア、ナイジェリア、コンゴにいるWHOチームが現地の状況をサウジアラビア保健当局に毎日連絡している。十分な検査所も、熟練した人材もそろっている。心配は要らない」
[2014年9月23日号掲載]