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南アフリカ重篤マンデラの一族が墓騒動で恥さらし
アパルトヘイト(人種隔離政策)を終焉させた英雄マンデラの墓を我が物にしようと争う親族たち
不肖の孫 マンデラ一族の内紛に火を付けたマンドラ Rogan Ward-Reuters
南アフリカのマンデラ元大統領が生死の境をさまようなか、一族の「お家騒動」が勃発し、泥仕合の様相を呈している。表面的には一族の墓所をめぐっての争いだが、その核心には誰が家長としての役割を継ぐかという問題がある。
一族の反感を買っているのは、マンデラの孫マンドラ・マンデラ(38)だ。マンデラの亡くなった子供3人の遺骨を親族の許可なく移動したため、訴訟沙汰にまで発展した。マンドラは先週、記者会見を開き、骨肉の争いについて弁明した。
警察は先週、マンドラ宅の敷地内から移動された3人の遺骨を掘り起こした。元大統領の存命の子のうち最高齢の娘マカジウェを代表とする親族からの申し立てが認められたためだ。警察によれば、マンドラは現在、「不正改葬」をした疑いで捜査されている。
マカジウェらによると、マンドラは11年に他の親族の許可なく、また通知すらせずに、3人の遺骨をクヌ村から自分が住むムベゾ村へ移した。今回あらためて掘り起こされた3人の遺骨は、再びクヌに戻された。
クヌはマンデラが子供時代を過ごした地で、近年もこの村で暮らしてきた。一方、ムベゾ村はマンデラの生誕地で、マンドラは現在その村の長を務めている。マンドラは遺骨を移した理由を明かしていないが、病床のマンデラをムベゾに埋葬したいという思いがあったとみられる。ただマンデラ自身が、死後はクヌに眠りたいと希望していたとも伝えられる。
首都プレトリアの病院で生命維持装置をつけられた94歳のマンデラは、いまだ危険な状態にある。妻のグラサ・マシェルは容体について、「時に不快感は示すものの苦痛は感じていない」と語っている。大統領府の発表によれば、依然として重篤だが容体は安定している。
マンドラは記者会見で、親族が自分のことを「私生児」で「権力欲が強くて自分のことしか考えない男」と、メディアを通じて批判したことに反論した。その上で「私は内輪の恥を人前にさらすようなことはしたくないと、声を強めて言いたい」と語ったマンドラ。だがそのすぐ後に、自分の弟ンダバは非嫡出子であり、もう一人の弟ムブソがマンドラの妻を妊娠させたことを暴露した。
こんな騒動こそ「内輪の恥」をさらしたようなものだ。
From GlobalPost.com特約
[2013年7月16日号掲載]