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南アジア再燃した印パ間のカシミール紛争
今年に入り、停戦ライン付近で軍事衝突が続発。インドとパキスタンの領有権争いも一触即発か
非難合戦 死んだ兵士の一人は首を切り落とされていたと、インドのシン首相は激怒する Mukesh Gupta-Reuters
インドとパキスタンの独立以来、両国間で領有権争いが続いているカシミールをめぐり、再び緊張が高まっている。今月6日以降、停戦ライン付近で交戦が続き、相方の兵士に死者が出ている。
インドのマンモハン・シン首相は今週、もはや平時で対応ではすまないと態度を硬化させた。昨日、「軍隊の日」の式典で報道陣と会談したシンは、交戦でインド兵士2人が命を落としたことについて「責任者にはしかるべき責任を取らせる。パキスタンは覚悟すべきだ」と語った。とりわけインド兵の1人が頭部を切断されたと報じられたことについて「野蛮な行為で、容認できない」とパキスタンを非難した。
一方パキスタン軍は、インド側がパキスタンの国境監視所を攻撃して兵士1人を殺害したと主張している。パキスタン側によれば死亡したのは、妻と3人の娘がいる兵士ナイク・アシュラフで、「理由なき攻撃」だったという。
カシミールをめぐる交戦では、今年に入って既にパキスタン兵士3人とインド兵士2人が死亡した。
パキスタン側はインド兵士2人の死亡について責任を否定し、停戦ラインを違法に越えてインド側に侵攻した事実は無いと主張している。
今週は両国代表による会談が国境地帯で行われたが、インド側の謝罪要求をパキスタン側が拒否。進展はほとんどなかった。パキスタン側が国境侵犯を継続するなら「好きな時に報復に出る権利がある」と、インドは警告している。
インド社会でも反パキスタン感情の高まっており、インド・ホッケー協会は新リーグで競技する事が決まっていたパキスタン人選手9人を、解雇せざるを得なくなった。
From GlobalPost.com特約