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司法船長逮捕でシー・シェパード万事休す
漁船に対する過激な攻撃で世界を騒がせ、ついに代表が「捕獲」された反捕鯨団体の運命は
やり過ぎ ワトソンは日本でも国際手配されている Jim Tanner-Reuters
捕鯨船に船で体当たりするなどの過激な活動で注目を集める反捕鯨団体「シーシェパード」のポール・ワトソン代表(61)が5月12日、ドイツのフランクフルト国際空港で逮捕された。今後、コスタリカに身柄を移されて実刑判決を受ける可能性もある。
カナダ生まれでアメリカ国籍のワトソンをドイツ警察が逮捕したのは、コスタリカ当局から逮捕状が出されていたから。シーシェパードは2002年に不法なサメ漁船を威嚇し、船員を危険にさらす行為を行ったとして国際手配されていた。
コスタリカだけではない。シーシェパードによる調査捕鯨船への妨害行為を受けてきた日本も10年6月、ワトソンを国際手配していた(日本はドイツ、コスタリカと犯罪人引渡し条約を結んでいないため、日本への身柄引き渡しを強制することはできない)。
14日に出廷したワトソンについて、弁護士のオリバー・ヴァラシュは「彼は(釈放を認めない)裁判所の判断にショックを受けている」と語り、「問題を解決するまでもう一晩拘置所で過ごすことになるかもしれない」とツイートした。
アザラシやサメ、イルカの狩猟者も攻撃
市民参加型ニュースサイト、エグザミナー・ドットコムによれば、欧州と中南米で活動中のシーシェパード運動員は、ワトソンの釈放に向けて「24時間体制で動いている」という。だが裁判所はまだ最終的な結論を出しておらず、身柄拘束は少なくとも16日までは続く見込みだ。
AFP通信は非営利組織のシー・シェパードについて次のように解説している。シーシェパードは公海における捕鯨などの「不法」行為に対抗する「直接行動のための革新的戦術」、つまり音響兵器や放水銃、悪臭弾を使った捕鯨船への攻撃に「自信をもっている」。さらに、アザラシ狩猟者の封じ込めにも熱心で、サメやイルカの保護にも乗り出しているという。
仮にワトソンがコスタリカで収監された場合、求心力をなくしたシーシェパードは急速に勢いを失うかもしれない。