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ロシア大統領選でプーチンに挑む大富豪の本気度
下院選での苦戦など来年の大統領選に暗雲が立ち込めるプーチンに強力なライバルが出現
対抗馬 ロシア3位の大富豪プロホロフは、プーチンをどこまで追い込めるか Sergei Karpukhin-Reuters
ウラジーミル・プーチン首相への挑戦は「私の人生最大の決断になるだろう」──12月12日、来年3月の大統領選への出馬を表明したロシアの大富豪ミハイル・プロホロフはこう言った。
ロシアで3番目の富豪とされる実業家のプロホロフは、無所属で出馬する予定だ。自身の出馬について、プーチンやドミトリー・メドベージェフ現大統領に事前に話してはいないという。またロシアのノーボスチ通信は、プロホロフが大統領選に向けて新党の立ち上げを示唆しているアレクセイ・クドリン元財務相と組む可能性を指摘した。
プロホロフは対抗馬を揶揄する汚い選挙戦術に走るつもりはないとしている。自分の政治的主張のうち、プーチンへの批判は10%にも満たないという。
とはいえプーチンへの恨みがまったくないわけでもない。プロホロフは財界寄りのリベラル政党「右派活動」の党首を務めていたが、党内の分裂により今年9月に解任・追放された。彼はプーチン政権が裏で糸を引いて党員の裏切りを仕向けたと主張、政権批判を展開していた。現在もプーチン政権がロシア政界のすべて──候補者の選出からメディアへの露出度まで──をコントロールしていると非難している。
マッチョな独身貴族として人気
モスクワ在住のグローバルポスト記者フレッド・ウィアによれば、プロホロフはロシアでは非常に有名な人物だ。
この長身の大物実業家(身長2メートル以上)は以前から「理想の結婚相手」としてメディアをにぎわしている。YouTubeに自身のジェットスキーのアクロバット技を投稿してマッチョなアスリートぶりを見せたかと思えば、電気自動車の開発に熱心な実業家の顔も見せる。
ロシアの産金最大手ポリュスゴールドの会長で、全米プロバスケットボール協会(NBA)のネッツのオーナーでもある彼の資産は、米経済誌フォーブスによれば180億ドルにも上る。
プロホロフは、12月4日に行われた下院選で多くの国民が投票所に行かなかったのは「彼らに投票したいと思わせる候補がいなかったからだ」とブログに書いた。「国民が望む望まないにかかわらず、現時点ではプーチンだけがこの能率の悪い国家システムを操れる人物だ」
彼はさらに大統領選への出馬のハードルはもっと下げるべきだと主張した。現状では出馬するには200万人以上の署名が必要だが、これを20万人にすることや、議会に議席を持つ政党だけでなく公共団体の代表でも候補者になれるようにするといった案を挙げている。
(GlobalPost.com特約)