中国は大国ぶった「隠れ小国」
ひまわりの種よりちっぽけな存在
間もなく退任する駐中国米大使のジョン・ハンツマンは4月6日、艾や劉らは「いかなる時も国民のために尽くすよう中国政府に迫っている」と述べ、彼らに敬意を表した。こうした要求は、どんな政府もしっかり受け止めるべきだ。そのために政府はあるのだから。
艾のような個人やその思想にたじろぐ中国の指導者たちは、恐れているのだ。世界のほとんどの観測筋が深刻に考えていないある事を、はっきりと認識している。日本が国土の下を走る断層を脅威に感じているとすれば、中国は不満という「マグマ」の上にいると言っていい。失業者や満足な職を手にできない人、人権さえ剥奪されている人が何億もいる中国では社会不安は爆発寸前だ。多くは高学歴で、他国でならもっと機会に恵まれるであろう彼らは、権力維持に汲々とする政権にとっては常に脅威なのだ。
中国政府が艾を恐れるのは、自分たちの考えが彼の思想より小さいことを分かっているからだ。小さいようで大きな可能性を秘め、殻の中でじっと芽が出るのを待つひまわりの種よりちっぽけなことを分かっているからだ。中国には広大な国土と素晴らしい文化がある。だが指導者たちの「恐怖の対象」を見れば、大国になるにはまだまだ時間がかかることがよく分かる。
Reprinted with permission from David J. Rothkopf's blog, 8/4/2011. © 2010 by The Washington Post Company.