最新記事

惨事

国際政治を大きく変える惨事は

日本の原発事故、サウジアラビア軍のバーレーン派遣、リビア反体制派の苦境……国際関係にも激震が走る

2011年3月16日(水)16時41分
ダニエル・ドレスナー(米タフツ大学教授)

政治も変える 日本の地震と原発事故の影響は大きい(煙を吐く福島第一原発3号炉、3月14日) Reuters

 今朝のニュースで興味を引かれたものを以下に挙げる。

1)ますます危機的様相を呈してきた日本の原子力発電所の事故

2)サウジアラビアやアラブ首長国連邦が共同でバーレーンに軍を派遣。バーレーンの反体制デモを鎮圧するためだが、地域紛争の引き金になりかねない。

3)反体制派がカダフィ政権の反攻に押されて劣勢に立たされているリビア情勢

4)アメリカの統治システムに対するアメリカ人の信頼が35年ぶりの低水準になっていることを示す世論調査

5)P・J・クラウリー米国務次官補(広報担当)の辞任。クラウリーは、内部告発サイト「ウィキリークス」に機密を漏らした疑いの陸軍上等兵を拘束し訴追している国防総省の手法を批判し、責任を取らされた。

 ブログに書くべき話には事欠かない一日だ。だが今日は幸い、退屈な学会で窓もなくWiFiもない部屋に一日中缶詰めだった。今週は、国際関係学会の年次総会もある。

 なので、代わりに読者の皆さんにお尋ねしよう。今から5年後に振り返ったとき、上に挙げた事件のうち、世界の政治に最も大きな影響を与えるものはどれだと思うか。

 私は日本の地震だと思う。自信はまったくないのだが。

Reprinted with permission from Daniel W. Drezner's blog, 16/3/2011. © 2011 by The Washington Post Company.

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ関税巡る市場の懸念後退 猶予期間設定で発動

ビジネス

米経済に「スタグフレーション」リスク=セントルイス

ビジネス

金、今年10度目の最高値更新 貿易戦争への懸念で安

ビジネス

アトランタ連銀総裁、年内0.5%利下げ予想 広範な
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 5
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 6
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 7
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 8
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 9
    トランプ政権の外圧で「欧州経済は回復」、日本経済…
  • 10
    ロシアは既に窮地にある...西側がなぜか「見て見ぬふ…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 5
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 6
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    週に75分の「早歩き」で寿命は2年延びる...スーパー…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中