フェースブック解禁、シリアの真意
アメリカの制裁解除の呼び水になるか
エジプトのデモ勃発直後、ウォールストリート・ジャーナル紙の取材に珍しく応じたアサドは、シリアにも変化が必要だと認めた。「エジプトやチュニジアの騒乱を目にするまで改革の必要性を感じなかったなら、どんな改革を行おうと手遅れだ」と、アサドは語った。「国内の変革といっても、政治、経済、行政などさまざまな側面がある。シリアにはそうした変革が必要だ。ただし、国民のスキルを高めて技術面で社会を向上させるという意味ではない。人々の精神を解き放つという意味だ」
フェースブックやユーチューブへのアクセスが解禁されたことで、シリア人も多少は精神を解き放つことができたかもしれない。しかしいまだに数多くのハンディが残っている。ブッシュ政権時代に課せられた経済制裁のため、アマゾン・ドットコムやオンライン決済サービス「ペイパル」といったアメリカ発のサイトを利用できない。グーグルのような米企業のソフトをダウンロードすることも禁じられている。
ネットのフィルタリングを監視する「インターネットと社会のためのバークマンセンター」のジリアン・ヨークは、シリアのウェブ規制撤廃がアメリカの制裁解除の呼び水になるのではないかと指摘している。「より開かれた国というシリアのイメージ戦略の一部にみえる。アメリカにとっても大きな意味をもつ、象徴的な変化だ」
(GlobalPost.com特約)