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債務危機ギリシャ緊縮財政でダダ漏れ頭脳流出
債務危機に苦しむギリシャでは、緊縮財政の一環として公務員の1年目の月給を600ユーロ(約6万6000円)以下にするという新法案が発表された。これで、高学歴の若者が国を出て他のヨーロッパ諸国やアメリカに職を求める傾向にますます拍車が掛かるだろう。
マケドニア大学が5月に発表した研究報告によると、外国に留学したギリシャの若者の84%が帰国しない道を選ぶ。うち半数はギリシャでの求職活動さえしなかった。背景には、外国の大学を卒業してもその3分の1がこの国で職に就けないという現実がある。
18〜30歳の失業率は約25%で、この数字は大学の学位取得者に限ってみても同じ。暇を持て余すアテネの若者たちは昼間からカフェやバーにたむろし、夜になると両親が暮らす家に帰る。彼らは出費がかさむ結婚や出産を避け、30代になっても実家暮らしを続ける。
ギリシャの若者はヨーロッパで最も学歴が高く最も行き場のない労働者だ。高い学費を払って英米や西ヨーロッパの大学を出て帰国しても家父長的な文化と既得権に縛られた社会構造にぶつかり、実力に見合った収入を得られない。
「この国の深刻な問題の1つであり、国家の成長にも影響を及ぼす」と、パナレトス教育・生涯学習・宗教副大臣も懸念を示す。
(GlobalPost.com特約)
[2010年6月16日号掲載]