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中東イラク、次のテロ標的は外国石油企業か
10月25日、バグダッドで少なくとも155人が死亡するという連続自爆テロが発生。イラクの心もとない平和に暗雲を投げ掛けた。
今のところテロの攻撃対象は主に政府関連施設だ。しかし、次の標的は外国の石油企業ではないかと危惧する声が上がっている。そうなればイラクの経済発展にとって大打撃になる。
米コンサルティング会社PFCエナジーによる最近の覚書は、今後起きる新たなテロが「国際石油企業を標的とする」可能性を警告している。外国の石油企業はまだ目立たない存在だと、PFCのアナリスト、ラード・アルカディリは言う。しかし今年になって石油企業幹部のイラク訪問が増えていることから、慎重にではあるが、同国での事業展開が始まっていることが見て取れる。
石油企業への攻撃は、石油生産で財源を確保しようと考える中央政府にとってかなりの痛手となるだろう。アルカディリは、石油産業が反政府勢力の標的になったナイジェリアの例を持ち出す。「イラクでは武力が一カ所に集中していない。将来、ナイジェリアに似た状況に陥る可能性があるし、それよりひどくなるかもしれない」
オバマ政権はイラクへの民間投資を奨励しており、石油資源のおかげでイラクが次の大きな新興市場になる可能性はある。ただし、テロリストに狙われなければだ。
[2009年11月11日号掲載]