最新記事

生殖医療

精子バンクより、規制のないSNSやアプリでの「精子提供」を選ぶ女性たち...変質者やトラブルの危険も

THE SEARCH FOR SPERM

2024年05月11日(土)12時33分
バレリー・バウマン(本誌調査報道担当)

法的規制に縛られない精子取引は私にとっては全く新しい領域だったが、妊娠に成功したレシピエントが自分の選択を誇りに思っていることははっきりと感じ取れた。彼女たちはこのシステムを利用し、生殖医療業界を迂回する近道を見つけ、なおかつ子供を産み、家族をつくることに成功したのだ。

これはより大きな人類の視点から、さらには家族の定義という視点から見て、非常に興味深い動きだろう。パートナーなしで子供を産む選択をする女性や、自分たちのやり方で家族をつくりたいと望む性的マイノリティーは増えつつある。精子提供サイトは、社会の主流から締め出された多くの人の希望をかなえることに貢献する。従来の生殖医療は、伝統的な男女の夫婦や、多額の費用を負担できる人を優先してきたからだ。

今こそ多様な形の家族について、固定観念にとらわれない議論を始めるべき時だ。アメリカでは性と生殖に関する権利が政治的・文化的な対立軸ともなっている。私は個人的な試みを通じて、ネット上で無料か安価の生殖補助サービスを探し、見知らぬ人の協力で家族づくりを始めることの心理的・法的・倫理的な影響を深掘りすることになった。

このシステムは新しい形の家族をつくろうとする人たちに大きな希望をもたらすのか。それとも考慮すべき厄介な問題を無数にもたらす、大きなリスクをはらんでいるのか。

答えがその両方だったら? どうすべきか知恵を出し合おう。

20241126issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏への量刑言い渡し延期、米NY地裁 不倫口

ビジネス

スイス中銀、物価安定目標の維持が今後も最重要課題=

ワールド

北朝鮮のロシア産石油輸入量、国連の制限を超過 衛星

ワールド

COP29議長国、年間2500億ドルの先進国拠出を
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 2

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 3

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 4

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 5

    24歳年上の富豪と結婚してメラニアが得たものと失っ…

  • 1

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 2

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 3

    キャサリン妃が「涙ぐむ姿」が話題に...今年初めて「…

  • 4

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 1

    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…

  • 2

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 3

    カミラ王妃はなぜ、いきなり泣き出したのか?...「笑…

  • 4

    キャサリン妃が「大胆な質問」に爆笑する姿が話題に.…

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:超解説 トランプ2.0

特集:超解説 トランプ2.0

2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること