アメリカ人男性100人とデートして分かったこと...米でも英でも「男はビールを飲んでフットボール」
I Dated 100 American Men
リサーチの一環で100人のアメリカ人男性とデートしたというピーチー ROCHELLE PEACHEY
<「イギリス人女性のアメリカでの恋愛本」を書くため取材で知り合った彼らの深い愛情と大きな誤解>
米ニュージャージーのバーガーキングで、あるレストランの店長とデートしたときのこと。私がハンバーガーを食べ始めた瞬間、彼は私の肩に手を置くと、イギリスの愛国歌『ルール・ブリタニア!』を大声で歌い出し、周囲の人たちに向かってこう叫んだ。
「彼女はイギリス人だ! 彼女はイギリス人だ!」
私はイギリス人女性のアメリカでのデートについて本を書くため、実際にアメリカ人男性とデートする計画を立てた。その最初のデートの相手、それが彼だった。
私は当時40代半ば。取りあえず、ニューヨークやニュージャージーなどの新聞に「愛を探している独身女性」として広告を出した。
会う人が全員、彼みたいにユニークで楽しい人ならいいのに──そんな私の期待が裏切られることはなかった。
ある紳士はお酒を2、3杯飲んだ後、ホテルの部屋を予約したと言った。まだ知り合って数時間なのに......。私は丁重にお断りした。
別の男性はランチのときにひどくそわそわしていた。「コート脱いだら?」と私が言うと、彼は答えた。「いや、死んだ猫がここにいるんだ」
彼の愛猫はその日の朝に死んだばかりだったらしい。
ヘアブラシに付いた毛をくれと頼んできた男性もいた。理由は──食べたいから!
私の一番のお気に入りは、母親を連れてきた男性とのデートだ。彼女は第2次大戦中、イギリス人と親しくしていたので、私と知り合いかもしれないと思ったそうだ。
「女王陛下の知り合い?」
みんながみんな、風変わりな男性だったわけではない。純粋に異性との出会いを求めるごく普通の素敵な男性も大勢いた。ただし、私はデートのたびにイギリス人を「演じる」自分を意識させられた。
私は可能な限りクイーンズ・イングリッシュで話した。まるで私が女王陛下やダイアナ妃の知り合いであるかのように、彼女たちのことを尋ねてくる男性もいた。
時にはイギリス生活について、からかうつもりで嘘をついたが、彼らは私の話を文字どおり真に受けた。イギリス人は毎日午後3時になると学校でも職場でも紅茶を飲み、サンドイッチを食べる、とか。
やがて私はロンドンに戻り、その後20年以上連れ添うことになる夫と出会った。今はフロリダに住み、夫は不動産関係の仕事をしている。
私は自分の経験を基に、イギリス人とアメリカ人の出会い系サイトを運営しているが、相変わらずイギリス人について多くの誤解を目にする。いまだに霧の中をステッキを突いて歩いている、とか。