最新記事

海外ドラマ

「狂った世界では、明るいものに引かれる」──新たな挑戦と限界について

Drawn to Lighter Fare

2023年05月21日(日)10時03分
H・アラン・スコット(ライター、コメディアン)
ケリー・ラッセル

ラッセルは新作の脚本を読んで「これはやらなきゃ」と思ったという ARAYA DOHENYーFILMMAGIC/GETTY IMAGES

<新作ドラマ『ザ・ディプロマット』でエリート外交官を演じたケリー・ラッセルが語る、次の段階へのモチベーションと自ら意識している限界>

ケリー・ラッセル主演の新作ドラマ『ザ・ディプロマット』(ネットフリックスで配信中)をひとことで説明するのは難しい。でも、それが作品の魅力でもある。

ラッセルが演じるのは、エリート外交官のケイト・ワイラー。

国際情勢が混迷を深めるなかで、中東担当から引き抜かれてアメリカの駐英大使となり、「お茶会でも開いて、スタイリストと知り合いになってこい」と命じられたという役どころだ。

この作品ではしっかりしたドラマの幹に、場違いとも思えるユーモアが見事に混ぜ込まれている。このまとまりの良さは、クリエーターのデボラ・カーンの手腕だ。

「彼女がジョークを一つも入れずに、超シリアスな話を書くはずはない」と、ラッセルは言う。

シリアスになりすぎないように演技に挑んだと、彼女は語る。

「世界はなんだかんだで大変。少なくともコロナ禍から後は、ずっとそう。だから気軽なもの、明るいものにずっと引かれている気がする。いま世界は狂っているから」

ライターのH・アラン・スコットが話を聞いた。

◇ ◇ ◇


──今、このタイミングで、新しいドラマに挑戦したのはなぜ?

引き受けるつもりはなかったけど、脚本を読んだら「これはやらなきゃ!」と思っちゃった。

──あなたが演じる外交官のケイト・ワイラーのユニークな点は?

キャリア外交官だというところ。アフガニスタンやリビアやレバノンで、外国語を駆使して「人道的」な仕事をしている人なんでしょうね。自宅には使用人や執事もいて、それが物語の面白い部分になっている。

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル、ガザで40カ所空爆 少なくとも30人死

ワールド

米がウクライナ和平仲介断念も 国務長官指摘 数日で

ワールド

米側の要請あれば、加藤財務相が為替協議するだろう=

ワールド

次回関税協議で具体的前進得られるよう調整加速を指示
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 4

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 5

    ハン・ガンのノーベル文学賞受賞はなぜ革新的なのか?…

  • 1

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 2

    「どちらが王妃?」...カミラ王妃の妹が「そっくり過…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 5

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 1

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    「どちらが王妃?」...カミラ王妃の妹が「そっくり過…

  • 4

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 5

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:トランプショック

特集:トランプショック

2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?