「繊細だが勇敢なモサドの女性諜報員」、世界が注目するニブ・スルタンに聞く
Playing a Mossad Agent
モサド諜報員の役は「本当に素敵な贈り物」だったと、スルタンは言う OR DANON
<世界で高い評価を受けたスパイドラマ『テヘラン』シーズン2の見どころを、女性諜報員役で主演したニブ・スルタンに聞く>
スパイスリラーはテレビドラマでは人気のジャンル。けれどもイスラエルの情報機関モサドの女性諜報員の物語は、ほとんど例がないはずだ。
その珍しいドラマとは、イスラエル製作の『テヘラン』(シーズン2が5月6日からアップルTV+で配信中)。イスラエル出身のニブ・スルタンが演じるタマル・ラビニアンは、イラン生まれのモサド諜報員にしてハッカー。彼女の任務は、イラン核施設の爆破に向けてお膳立てをすることだ。「オーディションで台本を大声で読んだとき、この役は絶対にやりたいと思った。本当に素敵な贈り物」と、スルタンは言う。
タマルについてスルタンは、ありがちな諜報員のキャラクターではないとも感じていた。「彼女の内面はとても複雑。普通のモサド諜報員とは思えない。繊細で、けれども自分の意見を持っていて、おまけに大胆」
シーズン1の撮影中は、ドラマが成功するとは思いもしなかった。「気に入ってもらえるかどうか、見当もつかなかった」と、スルタンは言う。作品が国際的に高い評価を得たことは「俳優にとって最高のご褒美」と語る彼女に、本誌H・アラン・スコットが話を聞いた。
――ドラマが国際的に注目を集めて、どう感じた?
反響の大きさを理解するまで、少し時間がかかった。シーズン2にグレン(・クローズ)が参加すると知らされて、初めて分かったくらい。「待って、本当?」って感じ。だって、あのグレンよ!
――そのグレン・クローズと仕事をした感想は?
偉大な俳優が偉大である理由が分かった。もちろん才能はすごいけど、それに加えて大変な努力をしている。見ていて本当に素敵。完璧なプロフェッショナルなのに、楽しそうなんだもの。
――シーズン2の見どころを。
ハラハラの度合いが増して、アクションの迫力がぐんとアップした。展開もとんでもなく速い。
そしてタマルは、たくさんのピンチを乗り越える。シーズン1の彼女は任務は単純なもので、いろいろうまくいかなかった。でも今シーズンは、もっと積極的。極秘の諜報活動に深く関わっているから。
――モサドが題材のドラマで女性の主役は珍しい。その点はあなたも注目している?
女性のハッカーが登場するテレビドラマは今までなかったんじゃないかな。彼女は知的だけれど繊細で、恐怖心はあるけれど勇敢。自分の能力をうまく引き出せる女性なんだと思う。