大舞台で「国歌の歌詞が...」、頭が真っ白になった歌手が明かす冷や汗エピソード
Faith Hill Reveals She Forgot The Lyrics Of The National Anthem At Playoff Game
2009年のスーパーボウルでは愛国歌「アメリカ・ザ・ビューティフル」を歌ったフェイス・ヒル Hans Deryk-REUTERS
<アメリカ国歌「星条旗」の歌い出しは、世界中の多くの人が知るように「O say can you see」だが、極度の緊張はそんな常識を吹き飛ばしてしまうようだ>
スポーツの試合など、大きな舞台で国歌を独唱するのは歌手にとって名誉なことであると同時に、大変なプレッシャーにもなる。アメリカの女性カントリー歌手フェイス・ヒル(54)は5度のグラミー賞に輝いているほどの大物だが、そんな彼女でも若かりし頃はプレッシャーに押しつぶされそうになったことがあるという。
彼女はトーク番組「ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーブン・コルベア」に出演し、NFLダラス・カウボーイズのプレーオフの試合でアメリカ国歌「星条旗」を歌うことになったときのエピソードを明かした。
当時はまだデビューしたばかりだった彼女は、本番直前になって国歌の歌いだしの歌詞が急に思い出せなくなってしまったという。「誰もがよく知っている歌だし、『歌詞を忘れるなんてあり得ない』と思うでしょう」と、ヒルは語った。「それが私には起きてしまった。もうずいぶん前だけれど、プレーオフの試合でのことだった」
「私はフィールドの中央に向かって、警備員の女性と一緒に歩いていた。そのとき彼女に『国歌の最初の単語って何だったかしら?』と聞いたの」
そう当時を思い返す彼女の話を聞いた「ザ・レイト・ショー」の司会者コルベアは右手で丸を作り「オー」だよと返し、観客の笑いを誘った。言うまでもなく、「星条旗」の最初の歌詞は「O say can you see」だ。
ダメなら違う歌を歌うしかない
「最初の単語さえ聞けば大丈夫だと思ったの」と、ヒルは語った。「すると私の手を取って歩いていた(警備員の)彼女は『本気ですか?』と聞いてきたので、私は『本気で』と答えたわ。彼女は『ああ、あなた......。分からないわ』って」
そのためヒルは、もしも最後まで思い出せなかったら代わりに「アメイジンググレイス」を歌おうと腹を決めたという。ただ幸運にも、ギリギリで「オー」を思い出せたために危機を乗り越えられたと話した。
またヒルは、彼女のキャリアの中で「最大のとんでもないプレッシャー」を感じる場面も、やはり国歌の独唱だったと明かした。再び「星条旗」を歌うことになったのは、2000年のスーパーボウル。NFLの優勝決定戦で、アメリカ最大のスポーツイベントとされる大舞台だ。
「スーパーボウルで国歌を歌うのは本当に怖かった。でも、たまたまその年のスーパーボウルにはテネシー・タイタンズが出ていたの」と、ヒルはコルベアに語った。タイタンズのファンである彼女は、そのおかげで落ち着くことができたという。
ただ本番前のリハーサルは、一般用のトイレにラジカセを持ち込んで行うしかなかったそうだ。