女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚から育てる人工子宮システムを中国が開発
ネットでも議論「少子化解消の最良の解決策」
中国は急激な出生率の低下に直面しており、2016年から5年間で新生児の数がほぼ半減している。国家統計局によると、昨年の人口純増数は過去60年間で最低だった。
その一方、中国の若い女性は中国の一人っ子政策やその他の国の奨励策が大幅に緩和されたにもかかわらず、結婚と子供優先な価値観をますます拒否するようになっていることを示す調査結果がある。
少子化は中国だけでなく、特に先進国社会にとっては深刻な問題だ。1月19日、スペースXのイーロン・マスクがSNSで「人口崩壊」に関する懸念を投稿すると、技術に詳しい人物が研究室で作られた子宮を最良の解決策として提案した。女性のキャリアを守り、出産に伴う苦痛、リスク、コストを軽減できるからだ。
We should be much more worried about population collapse
— Elon Musk (@elonmusk) January 18, 2022
中国のSNSにおいても、人工子宮や人口動態を逆転させるための最新技術の利用について議論が盛り上がっている。
孫氏らは論文で、この「AIナニー」は人間の目には見つけられない現象を検知し、そこから学習することができるため、「体外での長期胚培養技術の最適化と反復」が加速されると述べている。
ヒツジもサルもマウスも
人工子宮の技術は近年急速に発展している。特に早産児の成長をサポートする技術は進んでおり、2017年には米国フィラデルフィア小児病院の研究チームが、人工子宮システム「バイオバッグ」の中で早産のヒツジを正常に発育させることに成功した。
胚の段階から人工的に育てる研究は、2019年、北京の動物学研究所の研究チームが、サルの受精卵を人工子宮の中で臓器形成段階まで持っていくことに成功。霊長類の胚が母親の体外でここまで発育が進んだのは初めてのことだった。
同年にはオランダの科学者たちが、未熟児を救うための人工子宮を10年以内に完成させるとBBCが報じている。
2021年3月にはイスラエルのワイツマン研究所のチームが、着床直前に妊娠中のマウスから抽出した胚を5〜11日生存(ネズミの妊娠期間は約20日)させた。胚は胎児の段階にまで成長し、後肢とそのすべての主要な器官を形成したという。