最新記事

政治家

「自分は違う」としてきたメルケル前首相が、遂に「フェミニスト」宣言した意味

FINALLY A FEMINIST

2022年01月14日(金)10時51分
ジル・ペッツィンガー(ジャーナリスト)

彼女の存在そのものがメッセージに

それでも彼女の象徴的なレガシーには重要な意義がある。「30年前、40年前と比べて、ドイツ政府の中だけでなく(もっと広い世界で)私たち(女性)が手にしたものは、1羽のツバメ以上の価値があるだろう」と、ポツダム大学教授でドイツ経済研究所のジェンダー経済研究グループの責任者、カタリーナ・ウローリッヒは言う。

「ムティ(お母さん)」とも呼ばれるメルケルは、08年のユーロ圏の債務危機やブレグジット(イギリスのEU離脱)など、政治の激変の中でドイツとEUの舵取りをしてきた。

これほど長く政権を維持し、強いリーダーシップを発揮してきたという事実を評価する見方もある。実際、ドイツの多くの若者は女性の首相しか知らないのだ。

メルケルが首相として遺したレガシーを、女性活動家のシュヴァルツァーは次のように語る。「彼女は世界中の女性から称賛されている......彼女の存在そのものが、1つのフェミニスト宣言だ」

ドイツの女性参政権行使100周年の式典でメルケルは言った。「今では小さな女の子が将来は大臣やドイツの首相になりたいと言っても、誰も笑わないだろう」

From Foreign Policy Magazine

20250121issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    「男性に守られるだけのヒロイン像」は絶滅?...韓ド…

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    韓国のキム・ジヨンに共感する、日本の佐藤裕子たち..…

  • 4

    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…

  • 5

    韓国Z世代の人気ラッパー、イ・ヨンジが語った「Small …

  • 1

    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…

  • 2

    タンポンに有害物質が含まれている...鉛やヒ素を研究…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    「ショート丈」流行ファッションが腰痛の原因に...医…

  • 5

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 1

    ヨルダン皇太子一家の「グリーティングカード流出」…

  • 2

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 3

    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…

  • 4

    キャサリン妃の「結婚前からの大変身」が話題に...「…

  • 5

    韓国Z世代の人気ラッパー、イ・ヨンジが語った「Small …

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:トランプ新政権ガイド

特集:トランプ新政権ガイド

2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?