子育てで大切なたった一つのこと
子どもの問題行動は「愛情の確認行為」である
子どもは「自分は本当に親から愛されているのだろうか?」と不安になると、愛情を確認するために、反抗、わがまま、ぐずりなど、親を困らせる行動を起こします。子どもの問題行動は「愛情を確認する行為」ですから、親は感情的にならず冷静に対応することが大切です。
問題行動がよく見られるのが下の子ができた時です。生まれたばかりの赤ちゃんが母親の胸に抱かれている姿を目にした時、上の子は「ママが取られた!」と強いジェラシーを感じます。そして母親の関心を自分に向けるために「あらゆる悪い行動」を起こすのです。
この時、上の子の寂しい気持ちを受け入れず「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから言うこと聞いて!」と突き放してしまうと、根拠のない自信は減退します。そしてさらに問題行動が長引くという悪循環を引き起こすのです。
上の子におかしな行動が見られる時は、下の子の世話は父親や祖父母に任せて、母親と上の子が一緒に過ごす時間を作ってください。上の子を抱きしめ「ママは○○ちゃんが一番好きよ」と伝えれば、問題行動はすぐに収まっていきます。
また母親が一人で赤ちゃんの世話をするのでなく、上の子を育児に参加させましょう。上の子は母親と過ごす時間が増えますから、どんな手伝いでも引き受けてくれます。そして手伝いをしてくれたら「ありがとう、助かったわ」とほめてあげるのです。これで上の子は「自分は親から必要とされている」という自信を取り戻すことができます。
オムツ交換、沐浴、着替えなどに積極的に上の子を参加させましょう。子どもに手伝わせるよりも親がやってしまう方が早いでしょうが、上の子に疎外感を味わわせないことが目的です。上の子に下の子の世話をさせると、仲の良いきょうだいに育ちますので、その後の子育てがずいぶん楽になります。
子どもが自立するまで愛情の補充をし続ける
子どもが自立していくプロセスでは自信喪失に陥るタイミングが何度も訪れます。卒乳、トイレットトレーニング、魔の二歳児(自立への不安)、初めて習い事に参加する時、幼稚園に入園する時、小学校・中学校に進学する時、受験する時など、習慣や環境の変化への適応が迫られると、子どもの精神は不安定になり、普段とは違うおかしな行動が現れるようになります。
繰り返しますが、子どもが不安のサインを出した時は、その都度、親が「愛情の補充」を行ない「根拠のない自信」を大きくしてあげてください。「大丈夫」「できるよ」と言葉で励ましてあげるのも良いですが、子どもに愛情が一番伝わるのがスキンシップです。抱きしめたり、添い寝をしたり、おんぶや抱っこをしてあげることで子どもの安心感を高めることができます。
子どもが小学生以上になると、お互いに恥ずかしさもあって、抱っこしたり、添い寝したりという直接的なスキンシップは減っていきます。その代わりに、頭をなでたり、肩や背中をさすったり、手足のマッサージをしてあげるなど、スキンシップの方法を工夫してください。