人生で「自分が納得できる答えを導き出す」ために必要なこと
自分らしい人生を歩むために…(写真はイメージ) BrianAJackson-iStock
<進学、就職、結婚......人生には重要な選択をしなければならない場面がたびたび訪れます。この選択の質を高めるために欠かせないのが思考力。「自分は誰で、どう生きたいのか」、ありたい自分を創るヒントをアクティブラーニングの手法から紹介します>
21世紀は「答えのない時代」と言われます。「人間がこなせる仕事の多くはロボットやAI(人工知能)が担うようになる」と多くの人が言っているように、この流れは加速していくでしょう。
キャリアの面を考えても、「一生懸命勉強して、良い大学に入り、良い企業に就職すれば一生安泰」という考え方は通用しなくなってきています。実際、「安定」と言われた日本の大企業が海外企業に買収されてしまう時代です。
「答えのない時代」を生きる子どもたちは、自分の人生を自分の力で開拓しなければなりません。社会環境や産業構造が変化していく中でも決して悲観せず、むしろ新たなチャンスを見出し、仕事や価値を生みだしていく、そんな発想を可能にするために、自分の頭で考えられる「思考力」が欠かせません。
アクティブラーニングが思考力を育てる
「世界一子育てがうまくいっている国」と呼ばれるフィンランドは、国際学力調査(PISA)では常に上位に入っており、世界幸福度ランキングでも4年連続で1位を保持しています。フィンランドで育つ人が優秀な理由として「思考力」を伸ばす教育があります。
フィンランドの学校では先生が教壇に立って講義をすることはありません。生徒一人ひとりが学習目標を定め、そのために情報を集めたり、先生に質問したり、グループで議論したり、生徒が主体となって学びを深めていきます(このように生徒が能動的に学習する方法を「アクティブラーニング」と呼びます)。
その過程で、生徒はインターネットを活用して情報を取捨選択し、知識を増やし、分析し、周囲と議論を交わしていきます。そして、自分の考えの思い込みや偏りに気づいていくのです。