ワイキキ小学校を成績優秀校に変えた「16の習慣」とは?
コスタ博士が提唱する「16のよい習慣」とは、次のとおりです。
【16のよい習慣】
1.やり抜く習慣・・・あきらめない、やり続ける
2.衝動を抑える習慣・・・行動する前に考える、落ち着く
3.共感して聞く習慣・・・注意深く聞く、気使う
4.柔軟に考える習慣・・・違う見方をする、別の可能性を考える
5.思考を思考する習慣・・・自分の思考の偏りに気づく
6.正確を追求する習慣・・・見直す、念には念を入れる
7.疑問を持つ習慣・・・鵜呑みにしない、なぜ?どうして?と問う
8.知識や経験を活かす習慣・・・過去の経験を思い出す
9.明晰に伝える習慣・・・はっきり話す、言葉を選ぶ
10.五感を使う習慣・・・感じてみる、触れてみる
11.想像、創造、革新する習慣・・・ユニークであれ、独創的であれ
12.不思議と発見を楽しむ習慣・・・よく観察する、夢中になる
13.チャレンジする習慣・・・勇敢であれ、リスクを冒せ
14.ユーモアを持つ習慣・・・楽観的であれ、肩の力を抜く
15.共に考える習慣・・・協学せよ、共に学ぶ
16.学び続ける習慣・・・興味を持ち続けよ、変わり続けよ
出典「Habits of Mind」Arthur Costa
家庭と学校が連携して良い習慣を育てる
「Habits of Mind」は16の習慣を育てることを目標としています。もちろんこれら全てを一度に教えることは不可能ですから、まずは一つの習慣からスタートし、時間をかけて他の習慣を指導していきます。
ワイキキ小学校で行っていることは、とてもシンプルです。16の習慣のうち、毎月最低ひとつの習慣をテーマに掲げ、学校と家庭が連携して子どもに意識づける、といった地道な活動です。
たとえば「やり抜く習慣」がテーマであれば、授業中にわからない問題に出会ったときに「あきらめないで!」と生徒同士が声をかけ合います。先生も「やり続けよう!」と励まします。家庭でも親が「あきらめないで!」「やり続けよう」と共通の声がけをするのです。
子どもを取り巻く人たちが同じ習慣を意識し、同じ言葉をかけ続けることで、必然的にその習慣に対する意識が高まります。いわば「あいさつのしつけ」のようなものです。親、兄弟、近所の人が「おはようございます」と声を毎日かけることで、ごく自然に子どもも「おはようございます」と照れずにあいさつできるようになります。
親や先生が根気強く声を掛け、励まし続けることで、生徒たちは、一人ひとりが自分たちのできる範囲であきらめずに思考し、課題に粘り強く取り組んでいく習慣を身につけることができるのです。
近年、教育の分野において「やる気」や「粘り強さ」などの「非認知能力」が注目されていますが、コスタ博士の習慣教育は「非認知能力の具体的な育成法」であり、ワイキキ小学校の例は、非認知能力を鍛えることが学力に良い影響をもたらすことを証明したケースと言えます。