コロナ禍でクリスマスも変化 ツリーめぐる3つの最新トレンド
家中ツリーだらけに
感染拡大は別のトレンドも生み出しているようだ。もしかしたら地域によって違うかもしれないが基本的には「ツリーは各家庭に1本」。2本も3本も飾るものではない。
しかし、ツリーを複数飾る人たちがいる。複数飾ると、もっと心地よく、もっと華やかに感じられるからだ。おこもりクリスマスまたは巣ごもりクリスマスと日本で言われるように、この冬、欧米でも、おこもりの傾向は強くなるはずで、ツリーへの関心がより高まるのも不思議ではない。
オランダでは、クリスマスツリー栽培者協会会長が、マルチツリークリスマスは昨年すでに見られたトレンドで、今年も続く可能性は高いと語っている(ニュースサイトDutchNews.nl)。会長によると、1本はリビングルームに、2本目はキッチンに、もしくは2、3本目としてドアの両側に飾られるという。
2、3本を一か所にまとめて飾るスタイルも一部で流行っているようだ。家庭のインテリアのサイトDigsDigsでは、昨年あたりからこのトレンドが目立ってきたと主張している。このスタイルも取り入れる人が、今年は増えるかもしれない。
マスク姿のサンタやトイレットペーパーのオーナメントが登場
オーナメントにも変化が見える。新型コロナウイルスを表現したものが多数発売されているのだ。たとえば、グローバルなマーケットプレイスEtsyでは、マスク姿のサンタなど、世界中で起こったトイレットペーパーの買占めにちなみトイレットペーパー、コロナウイルスの形そのもの、消毒液、マスクなど、実に多くのオーナメントが購入できる。
ニューヨークに本社を構えるクリスマスデコレーションの老舗Kurt S. Adlerも、マスク姿のサンタなど、新型コロナウイルスの感染予防を思わせるオーナメントを売っている。
クリスマスツリーにまで新型コロナウイルスを関連付けなくてもよいのではと思うが、2021年のクリスマスは、こうしたコロナオーナメントを再び飾らなくてもいい状況であってほしい。
[執筆者]
岩澤里美
スイス在住ジャーナリスト。上智大学で修士号取得(教育学)後、教育・心理系雑誌の編集に携わる。イギリスの大学院博士課程留学を経て2001年よりチューリヒ(ドイツ語圏)へ。共同通信の通信員として従事したのち、フリーランスで執筆を開始。スイスを中心にヨーロッパ各地での取材も続けている。得意分野は社会現象、ユニークな新ビジネス、文化で、執筆多数。数々のニュース系サイトほか、JAL国際線ファーストクラス機内誌『AGORA』、季刊『環境ビジネス』など雑誌にも寄稿。東京都認定のNPO 法人「在外ジャーナリスト協会(Global Press)」監事として、世界に住む日本人フリーランスジャーナリスト・ライターを支援している。www.satomi-iwasawa.com