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Kビューティー、2020年のキーワードは「MOVING」 ビッグデータから見たコロナ時代のコスメトレンド

2020年12月04日(金)21時21分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

ソウルにあるOLIVE YOUNG。REUTERS/Kim Hong-Ji

<日本でも人気のヘルス&コスメショップの売上データから振り返る2020年とは?>

韓国コスメが日本でもすっかり定着し、買い物目的で韓国を訪れる人たちも増えたが、そんな買い物組の定番立ち寄りコースの1つとなっているのが韓国で約1200店舗以上を展開しているNo.1ヘルス&ビューティーストア「OLIVE YOUNG(オリーブヤング)」だ。韓国コスメ好きの日本の若者の間では「オリヤン」という愛称で親しまれている。

オリーブヤングの日本のドラッグストアとの大きな違いは、薬局の要素がないことだ。薬は基本的に置いていない。その代わり美容と健康に関連した商品が並び、最近ではプライベートブランドも開発・販売している。

この11月、オリーブヤングは東京でプライベートブランド商品の期間限定ポップアップストアーをオープンさせ話題となった。12月2日からは大阪でもオープンしている。来年1月下旬には「OLIVE YOUNG PB COSMETICS」もローンチすると発表、これを足掛かりに、日本への正式上陸の日もそう遠くはないのではないかとみられている。

そんなオリーブヤングが11月23日に2020年の店舗とオンラインでの商品売り上げ1億件以上のビックデータを公開した。これを見れば、今年の韓国の美容トレンドを知ることができ、さらに広くいえば今韓国ではどんな商品が求められているのかが一目でわかるというものだ。

2020年キーワードは「MOVING」

今年のトレンドは「MOVING」だという。これは、各キーワードを代表する単語の頭文字からできている。

まず、「M」。これは今年のコロナ感染拡大を象徴するワード「マスク・ビューティー」だ。今まで以上にみんながマスクをつけるようになり、マスクに特化したメイクや商品が売れ筋となった。

次に「O」は、オン・オフラインのショップを連携させる「Omni(オムニチャンネル)」。日本でもマーケティングでよく使われる単語である。

そして、「V」は、「バリュー重視の価値消費」。これは、1つの商品で2つ以上の効果をもつ商品が売れていることを指す。今韓国では2WAYや3WAYというお得感を感じる単語も人気なのだという。

さらに「I」は、「インナービューティー」。"外側でなく内側からきれいになろう"という流れはずいぶん前から世界的なトレンドだといえる。

そして、「N」は、有害環境からの保護を意味する「No harm」。

最後は、世代と性別の垣根を超えた「Gap less」の「G」で、現代を象徴するキーワードである。

このビックデータは、25部門に分かれていて、各カテゴリーの今年の売れ筋商を紹介している。今回はその中でも、韓国らしい面白いトレンド傾向をいくつか紹介しよう。

まず、注目すべきは、全体の売り上げの約60%が、韓国国内の中小企業から発売されている商品だった点だ。これは、これまでのブランド志向は崩壊し、本当にいい物ならば売れることを意味する。SNSなど個人発信の情報も増え、口コミでトレンドが生まれることが多くなったことも関係しているのだろう。

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