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インタビューセシリー・ストロングのストロングな進撃は続く──インタビュー
No Emmy But Still Going Strong
毎週土曜の夜に政治を笑えることの意義は大きいと語るストロング GARY GERSHOFF/GETTY IMAGES
<『サタデー・ナイト・ライブ』の人気者が語るエミー賞、大統領選、コロナ、そして次の挑戦>
コメディエンヌのセシリー・ストロングはこの8年間、老舗お笑い番組『サタデー・ナイト・ライブ(SNL)』の歴史でも有数の強烈なキャラクターを次々と生み出してきた。メラニア・トランプ米大統領夫人や「パーティーで話したくないタイプの女性」 は、とりわけ印象深い。
SNLでの活躍が評価されて、今年はテレビ界で最も栄誉あるエミー賞の助演女優賞にもノミネートされた(受賞は逃した)。
アップルの動画配信サービス「アップルTVプラス」のミュージカルコメディー・ドラマ(タイトル未定)への出演も決まっている。あるカップルが1940年代のミュージカル映画のように人々が行動する世界に放り込まれ、真の愛を見いだすまでそこから 抜け出せない、という設定だ。「とても楽しいドラマになる」とのことだが、「SNLにも引き続き関わるつもり」だと、ストロングは言う。
H・アラン・スコットがストロングに話を聞いた。
――エミー賞へのノミネートはどのように知った?
番組のPR担当者からメールが届いた。そこには「ノミネート、おめでとう」としか書いてなかった。てっきり、番組がノミネートされて、関係者全員にメールを送ったのだと思った。私が個人でノミネートされたと気付くまでに40分かかった。
――選挙の年にSNLが特に重要だと言う理由は?
大量の情報が氾濫していて、その中には良質な情報もあるけれど、劣悪な情報も多い。昨今はソーシャルメディアのおかげで、誰もが情報を発信できる。ジャーナリズムや政治学の学位の持ち主とイカれた人が同等の発信力を持っている。
このような時代に、毎週土曜の夜に風刺的なメッセージに接することの意義はとても大きい。今日の政治はあまりに気がめいる。政治を笑えるのはいいことだと思う。
――新型コロナウイルスの感染拡大で、自宅でSNLに出演するのは難しかった?
それは突然始まった。スタジオでの放送が中止されたのは3月24日。そのときは、3週間程度でスタジオに戻れると思っていた。 自宅に持って帰ったのは、スエットシャツとレギンスが数着だけ。ドレスアップするための服は手元になかった。そこで、大量に服を買う羽目になった。大勢の人が助けてくれたけれど、みんなが大わらわだった。
――SNLで物まねを披露する機会がないままになっている人物はいる?
新しい放送作家が加わると、たいてい物まねをやりたがる。作家たちがメールを送ってきて「ほかに誰かの物まねはできない?」と尋ねられる。そうした要望に対して、出し惜しみしたことはない。
――「アップルTVプラス」の新ドラマはどうなりそう?
とても楽しいドラマになると思う。台本の読み合わせをするたびに泣いてしまう。もっとも、私はテレビのCMを見たり、うちの犬が隣にいるのを見たりするだけで毎日泣くような人間だから、その点は割り引いて考えてもらったほうがいいかも。
でも、本当に素敵なドラマになると思う。音楽も最高。ミュージカルを見ているときみたいに、物語に入り込んで時間を過ごせる。本当に楽しい気持ちになれる。
11月10日号(11月4日発売)は「アメリカ大統領選 中国工作秘録」共産党が勝たせたいのはトランプかバイデンか。[PLUS]「千人計画」の盲点
[2020年10月13日号掲載]