親の過干渉が子どもの幸福感を下げる
子どもに決めさせると「やる気」が育つ
子どもの「やる気」に火をつけるには、子どもに決めさせると効果的です。服、靴、カバン、文房具、本、おもちゃなど、子どもの身の回りの物はできるだけ子どもに選ばせまましょう。一緒にデパートに行って(予算を決めて)子どもに選ばせてみると、それまで気づかなかった子どもの個性が見えてきます。
子どもに決めさせるといっても学校や習い事など、学力や社会性に関わる重要事項を子どもに決めさせるのはNGです。習い事を決める時に「子どもの意思を尊重します」という親がいますが、自分の能力を十分に理解できていない子どもに「賢い選択」はできませんので注意してください。子どもに決めさせていいのは身の回りのこと。重要な決断については親子で協議して決めてください。
子どもの意思を尊重し、子どもに決定権を与えることで、子どもは自分の好き嫌い、つまり自分自身がよく分かるようになっていきます。この積み重ねがアイデンティティの土台となり、将来、自分のやりたいことを見つけ、自分らしい「幸福な人生」の実現へとつながっていくわけです。
[執筆者]
船津徹
TLC for Kids代表。明治大学経営学部卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。2001年ハワイにてグローバル人材育成を行なう学習塾TLC for Kidsを開設。2015年カリフォルニア校、2017年上海校開設。これまでに4500名以上のバイリンガル育成に携わる。著書に『世界標準の子育て』(ダイヤモンド社)『世界で活躍する子の英語力の育て方』(大和書房)がある。
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