親の過干渉が子どもの幸福感を下げる
また、子どもを心配するあまり行動に先回りし過ぎるのも過干渉です。子どもが転ばないように抱っこしてあげ、こぼさないように飲み物を飲ませてあげ、汚さないように食事を食べさせてあげ、歯磨き、洗顔、着替えなど、子どもの身の回りのこと全てに親が手を出してしまう。
もちろん幼い子どもは着替え一つ上手にできないですから親の方がイライラ・ハラハラするかもしれません。水を飲むだけでも失敗して服を濡らしてしまうかもしれません。でも手を出したい気持ちをグッとこらえて、子どもを見守ることが「自分でできた!」という成功体験を生み、自立心を育てるために必要なプロセスなのです。
子どもが少し大きくなると「言葉の過干渉」が増えてきます。「学校で何を勉強した」「宿題やった」「テスト何点だった」「誰と遊んだ」「何を食べた」「ゲームはダメ!」「マンガはダメ!」「テレビはダメ!」「ゴロゴロしないで!」と子どもの行動をチェックします。親から監視されると子どもは「自分は信頼されていない」と感じ自主的なやる気を失っていきます。
新型コロナウィルスによって子どもが家庭で過ごす時間が増えました。親子が一緒にいる時間が長くなると、子どもの行動が目に付くようになり、親の干渉が強くなりがちです。我が子どもといえども親とは異なる個性を持つ一人の人間として尊重することを忘れてはいけません。
子育ては親の側に多くの「忍耐力」と「見守る勇気」を要求します。子どもの自主性を尊重し、子どもが自分の意思でやろうとしていることは最後までやらせてあげる。手出し・口出し・先回りをせず子どもの行動を見守る。親が無理だろうと思っていることでも、子どもを信じて、子どもに任せてみると案外簡単にできてしまうものです。
身の回りのことは子どもにやらせる
子どもの「やる気」を育てるには「やらされている」のでなく「自分の意思でやっている」という感覚を持たせることが必要です。自分の意思でやったことができた!という経験が自信になり「他のことも試してみたい」という「やる気」につながります。
まず子どもの身の回りのことは自分でやらせるようにしましょう。着替え、顔洗い、歯磨き、お風呂、食器の上げ下げ、部屋の掃除などを「自分でやってみようか?」と促してみてください。もちろん最初は上手にできませんし時間がかかります。しかし子どもを信頼してできるまで見守ってあげてください。
そして子どもができたら「すごいね!自分でできたね」とほめてあげることが大切です。多少不器用でもできたらほめてあげてください。子ども時代に「自分でできた」という成功体験が多いほど自立心旺盛でやる気満々な子どもに成長していきます。
4〜5歳以上の子どもには家事に協力してもらいます。料理、買い物、食事の準備・片付け、掃除、洗濯などを子どもにも手伝ってもらうのです。ただ、命令や指図で子どもを動かそうとしてはいけません。ささいなことでも必ず「頼むこと」から始めましょう。「○○ちゃん悪いけど、お母さんを助けてね」そして、子どもが手伝ってくれたら「ありがとう、手伝ってくれて助かったわ」とギュッと抱きしめて感謝します。これで子どもは自分の働きがお母さんに必要だ、自分は役に立つ人間だという自信を持つことができます。
勉強や習い事についても親が「勉強しなさい」「練習しなさい」と強制するのでなく「いつやるか自分で決めてね」と子どもの意思に任せるようにします。子どもは自分で決めたことについては自主的にやろうと努力します。命令するのでなく「子どもに決めさせること」がポイントです。
ゲームばかりしている子どもには「ゲームをやめなさい」と言うよりも「いつ宿題やるのか決めてママに教えてね」と伝える方が効果的です。子どもの口から「4時になったらやる」「おやつの後にやる」と言わせるように導いてください。約束したにも関わらず守らなかった場合は厳しく叱ってください。