最新記事
カルチャー「天然」コメディエンヌがすご腕の女スパイに? リサ・クドロー インタビュー
Lisa Kudrow in “Space Force”
ILLUSTRATION BY BRITT SPENCER
<『フレンズ』のリサ・クドローが新作『スぺース・フォース』で新境地を開拓中>
リサ・クドローといえば、ルシル・ボール、キャロル・バーネット、ジュリア・ルイス・ドレイファスと並ぶコメディードラマの大スター。ネットフリックスの新シリーズ『スぺース・フォース』(5月29日から世界同時配信中)では、シーズン中ずっと囚人服で通している。本人によれば、『ザ・カムバック』の劇中コメディーで扮した「サシーおばさんのジャージー並みに快適だった」とか。
製作総指揮は『ザ・オフィス』でもタッグを組んだグレッグ・ダニエルズとスティーブ・カレル(主演も)。カレル扮する四つ星将官は新設された宇宙軍「スぺース・フォース」の初代指揮官として月面基地の建設を目指す。その妻で服役中のマギーがクドローの役どころだが、服役の理由は当のクドローも知らない。
新動画配信サービスHBOMaxの『フレンズ』同窓会スぺシャル(新作はないそうだが)にも出演予定だ。多忙なクドローに本誌H・アラン・スコットが話を聞いた。
――『スぺース・フォース』に出演したいと思った理由は?
ダニエルズとカレルが一緒ってだけで最高、出る!って感じ。実は恥ずかしい話、アメリカに本当に宇宙軍があるなんて、撮影が終わるまで知らなかったの。撮影中一度もその話題が出なかったのは、ほかのみんなは常識だと思ってたからじゃないかな。
――服役している理由はともかく、マギーは刑務所暮らしにすぐなじんだ。
ほんと、周りになじむのが上手。最初は完璧な将官夫人。夫が政治的野心を持てば、それにもすぐ順応する。合わせるコツを知ってる。だけどワシントンからコロラド州に引っ越すと言われたときはちょっと取り乱すの。「私の仕事はどうしよう」と思ってるのか、「しまった」と思ってるのか。どっちにしても、彼女がなぜ刑務所にいるのかは曖昧なままにしておきたいと思った。
――謎の多い役を演じるのは大変だったのでは?
いいえ。実はスーパースパイの悪女でした、って場合、かえって効果的でしょ。言っちゃったから、その可能性は消えたかもね。
――15年前に『ザ・カムバック』であなたが演じたバレリーなら、今の隔離生活をどう過ごしている?
フォロワーを200人集めて、けしかけてるかも。「(劇中でバレリーが出ていたコメディー)『アイム・イット』を見よう。ほかにすることがないんだから。頭を空っぽにして。新型コロナ絡みの記者会見を見るのはおしまい、笑って」とか。
――すんなりバレリーに戻れるのがすごい。
忘れたことなかったもの。バレリーに成り切ってつぶやいたり。でも昔ほどじゃなくなってきて。彼女が恋しいな。
――誰か共演したい相手はいる?
100万人いる。まだ共演してない人のほうが多過ぎて。アリソン・ジャニーとか楽しいかも。待って、もう共演したんだった、『ウェブ・セラピー』で!
――新型コロナで延期されたが『フレンズ』同窓会スぺシャルで何が一番楽しみ?
みんなとは何年か前に1回会ったきり。覚えていることが全員違うの。ジェニファー(・アニストン)と(マット・)ルブランクは全部完璧に覚えてる。早く思い出話で盛り上がりたいわ。
2020年7月7日号(6月30日発売)は「Black Lives Matter」特集。今回の黒人差別反対運動はいつもと違う――。黒人社会の慟哭、抗議拡大の理由、警察vs黒人の暗黒史。「人権軽視大国」アメリカがついに変わるのか。特別寄稿ウェスリー・ラウリー(ピュリツァー賞受賞ジャーナリスト)
[2020年6月30日号掲載]