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英王室

各国メディアが絶賛する英キャサリン妃の「写真力」

Power in a Picture

2020年06月09日(火)17時00分
キャサリン・アルメシン

家族の写真を撮り、国民の写真を集めるのも彼女のミッションだ CHRIS JACKSONーPOOLーREUTERS

<撮られ上手な王族の中でも彼女はプロはだしの「撮り上手」>

カメラは撮る人の愛情も写し出す。だから母親の撮った赤ちゃんの写真はかわいい。特に母親が未来のイギリス王妃である場合には。

ケンブリッジ公妃キャサリン(愛称ケイト)はもともと写真好き。母となってからは愛児のほほえましいショットを折に触れて公開してきた。つい最近も、5歳の誕生日を迎えた長女シャーロットの組み写真を発表して、各国のメディアから絶賛された。

イギリス王室は写真を固有のソフトパワーとして活用してきたと言うのは、著名な王室史家のルーシー・ワースリー。王族は基本的に、写真を撮られる側にある。王位の継承であれ、恋愛の成就であれ、王室行事であれ、日々の些細な出来事であれ、「世界に向けて何かのメッセージを送りたいとき、王族は好んで写真を使う」と、ワースリーは言う。

思えば故ダイアナ妃は最高に「撮られ上手」だったし、現女王のエリザベス2世もそう。「昔の王様は軍隊を動かしたが、今はメディアを動かして影響力を行使する。ただし発言には何かと制約が多いから、むしろビジュアルで勝負する」と、彼は言う。

だからカメラの前に立つときは気を使う。衣装や化粧、ちょっとしたしぐさ、そして誰とどこで一緒に写るかも慎重に選ぶ。そうしないとメッセージを的確に伝えられず、自分の(そして王室の)影響力を保てないからだ。

しかしキャサリン妃は「撮られ上手」なだけでなく、撮るのもうまい。そして王室御用達の写真家サミル・フセインに言わせると、どんどん腕を上げている。「作品を見れば分かるじゃないか。とっくにアマチュアの域を超えている。立派な写真家だよ」

それなりの自覚もあるのだろう。彼女は先頃「ホールド・スティル」と題する新プロジェクトを立ち上げた。新型コロナウイルスに立ち向かう国民の姿を捉えた写真を収集し、記録に残す事業だ。涙も笑いも、孤独も連帯も写真に収めて保存する。それもまた王室の役割ということか。


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