過干渉は子どもの自立を妨げる
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<大人だって口うるさく言われ続ければ、フラストレーションが溜まり、やる気を失くします。子どもだって一緒です。成長に合わせて「しつけ」を伝えるコツとは?>
新型コロナウィルスのパンデミックによって世界中の子どもたちが自宅待機を余儀なくされています。親子が家庭内で過ごす時間が長くなると、子どもの行動が目につくようになり、つい指示・命令言葉が増えがちです。もちろん親は、子どもの生活習慣を整え、学習面で遅れが出ないように「いけません」「ああしなさい」と指示・命令をするのですが、必要以上に干渉が多くなると、子どもの「やる気」を減退させることにつながっていくので注意が必要です。
過保護と過干渉の違いとは?
まず「過保護と過干渉の違い」について整理しておきましょう。保護は子どもの生命や心の安全を守る行為ですから、いくら過剰に与えても与え過ぎることはありません。つまり「過保護」というのは、子育てには存在しないのです。
3歳になった子どもを母親が抱っこしていると「過保護だ」と言う人がいます。しかし、子どもが抱っこを望むのであれば、親はいくらでも抱っこしてあげればいいのです。子どもの欲求に答えることが「過保護」だとすれば、親は自信を持って「過保護」になってください。
子どもに要求されるまま四六時中抱っこしていると、自立が遅れるのではないかと心配する人がいます。しかし実際には、欲求を満たされた子ほど早く自立していけるのです。子どもの欲求にとことん親が応えてあげると、子どもの心は満たされますから、そこから先は親に依存することなく、自分の足で前に進んでいけるようになります。
一方の「過干渉」は、子どもが「自主的なやる気」でやろうとしていることを親が先取りする行為です。たとえば、2歳児が懸命にコップで水を飲もうとしているのを「こぼすから」と親が飲ませてしまう。子どもが自分で靴ヒモを結ぼうとしているのを、待てない親が結んでしまう。これらは「過干渉」です。
「自分でやってみたい」「自分で試してみたい」というのは人間の自然な欲求です。それを「危ないから」「汚すから」「時間がかかるから」と、親が子どもからその機会を奪う場面が多くなると「過干渉」になります。過干渉は子どもの自主性を減退させ、親への依存心を強め、自立を遅らせる要因となります。
私は「子どもを放任せよ」と言っているのではありません。放任は子どもの心身の保護を放棄する行為です。子どもの心の欲求(多くの場合は甘え)にはとことん応え、子どもが自分の意欲でやろうとしていることは(生命の安全を守る範囲で)見守ることがポイントです。
【参考記事】子どもの才能を引き出し伸ばすことができる親に共通すること