オリンピック博物館の東京五輪・日本展遅延 もう楽しめる状況にない?
オリンピック年は、博物館訪問者が増えるはずだが
日本でも国外でも、東京五輪は予定通り開催だという立場と、延期や中止がよいかもしれないという立場の発言が報道されている。ギリシャでは、新型コロナウイルスの感染拡大が心配されて、東京五輪の聖火リレーが急きょ中止になった。
ヨーロッパでの感染拡大が、今後1か月半で鎮静化に向かうのか。たとえ5月にオリンピック博物館で本展がスタートできたとしても、訪問客はどれほどになるだろうか。そして、どの程度、日本のカルチャーを楽しみ、東京五輪に心躍らせるだろうか。
同館のプレス担当は、閉館の措置が実行される数日前、「通常、オリンピック年には訪問者が増えます。新型コロナウイルスの影響に関しては、何らかの結論を出すには長い時間がかかると思われるため、いまのところコメントはできません」と筆者の問い合わせに応じた。
[執筆者]
岩澤里美
スイス在住ジャーナリスト。上智大学で修士号取得(教育学)後、教育・心理系雑誌の編集に携わる。イギリスの大学院博士課程留学を経て2001年よりチューリヒ(ドイツ語圏)へ。共同通信の通信員として従事したのち、フリーランスで執筆を開始。スイスを中心にヨーロッパ各地での取材も続けている。得意分野は社会現象、ユニークな新ビジネス、文化で、執筆多数。数々のニュース系サイトほか、JAL国際線ファーストクラス機内誌『AGORA』、季刊『環境ビジネス』など雑誌にも寄稿。東京都認定のNPO 法人「在外ジャーナリスト協会(Global Press)」理事として、世界に住む日本人フリーランスジャーナリスト・ライターを支援している。www.satomi-iwasawa.com
2020年3月24日号(3月17日発売)は「観光業の呪い」特集。世界的な新型コロナ禍で浮き彫りになった、過度なインバウンド依存が地元にもたらすリスクとは? ほかに地下鉄サリン25年のルポ(森達也)、新型コロナ各国情勢など。